IoTという新たな「産業革命」

驚異の67.5%! オートバックスセブンのDMヒット率が、ものすごい理由水曜インタビュー劇場(DM公演)(2/7 ページ)

» 2016年05月18日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

従来のデータ分析で「限界」を感じる

土肥: 今回の取材にあたって、オートバックスセブンがどんなことをしているのか調べてみたのですが、かなり前からいわゆる“顧客管理”にはチカラを入れていたようですね。1994年にポイントカード制度を始められている。購入金額100円ごとに1ポイントが付いて、次回の買い物時に使えるというもの。しかも、それだけではない。お客さんの情報を分析して、“先読み”する手法を確立されていたそうですね。

福島: 1994年に「RFM(直近購入日、来店頻度、購入金額)」と呼ばれている分析手法によって、顧客を5つに分類していました。買い物金額だけでなく、来店回数やタイヤ交換などの要素をスコア化して分類していて、いわゆる“上級顧客”のお客さまに、割引クーポンなどを送っていました。「DMを打てば響く」という時代だったので、こうした手法が売り上げに大きく貢献していました。

 しかし、カーマニア層が減少する一方で、買い物などにクルマを使うライトユーザー層が増えてきました。こうした時代背景に合わせて、「過去に購入したモノからアプローチするよりも、将来購入する可能性の高いモノを先読みしてアプローチするほうが効果的ではないか」と考えたんですよ。例えば「エンジンオイル交換をしたお客さまは、6カ月後に交換するはず」という仮説を立てて、エンジンオイル交換を勧めるDMを送りました。結果、かなりの効果がありました。

土肥: データ分析の場合、多くの企業は「ちょっと先の未来を予測して、マーケティング活動に生かす」といった形で活用されていますよね。

福島: はい。でも、当社ではそのやり方だけだと「限界があるなあ」と認識しました。コンピュータに「○月○日、ドイさんは○○店でエンジンオイルを交換した。6カ月後の○月○日に、またエンジンオイルを交換する」といったプログラムを入れることができるのですが、人ってそれほど単純ではないと思っています。「その日は予定が入っているから、また別の日に……」といった感じで。ちょっとしたことでコロコロ行動が変わります。だからこそ「人」を知らなければいけない、ということになりました。

土肥: 具体的にどんなことをされたのですか?

オートバックスの店内

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