就職活動を再点検せよ(1/4 ページ)

» 2016年06月08日 06時30分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:

増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

 RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。


 一応公式の(?)就職・採用活動解禁で一気に内々定が出た人、まだまだこれからという人、さまざまな6月1日を迎えています。どんな経済環境下でも順調に採用が進む人はいますが、割合からすればほとんどの学生はなかなか自分の思う通りに選考は進まないのです。そんな就活が思うように進まない人に、「就活再点検」のお勧めです。

有名大学なのに面接がうまくいかない人

 受験時偏差値ランクで、有名、一流と呼ばれる大学の学生なのに、面接で全滅、ESはほとんど通過するのに面接だと落とされるという人がいます。もちろん有名、一流といってもどこまでがそうで、自分の大学はそれなのかどうかヤキモキする人もいるでしょう。もうその時点で考え方が間違っています。

 「有名、一流大学生」だから採用するのではありません。会社で仕事ができそうだから採用するのです。偏差値の高い大学ほど、事務処理や受験のような長期的目標達成能力が高い「可能性」があるのですから、この判断や評価は一定の説得力を持ちます。人としての本当に一流、優秀かどうかは分からずとも、有名、一流大学に所属していることが不利になるはずがありません。

 しかしそうした学生だけが採用されるのであれば、企業は何千万円もの採用コストなどかけずに、大学の偏差値序列で順に採用すれば良いのです。もちろんそんなことは不可能だし意味のないことを企業は分かっています。だから手間と予算をかけてわざわざ説明会やES、面接をして振るいにかけているのです。

 企業が何のために採用するのかという理屈を理解せず、大学受験での成功体験、つまり模範解答=求められている正解を答えることが採用だと勘違いしている人が、有名大学なのにうまくいかない人には圧倒的に多くいます。多くの先輩内定者と同じ答えが「正解」であって、正解を答えれば採用されるというのは、受験では通じても企業では通じません。アピールが間違っているのです。

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