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» 2016年06月09日 08時00分 UPDATE

高井尚之が探るヒットの裏側:なぜ「アイスクリーム」市場は伸び続けているのか (3/4)

[高井尚之,ITmedia]

自分へのご褒美、「冬アイス」の需要増加

 もう1つの好調理由は「冬アイス」人気だ。冬アイスという言葉は業界でも訴求しており、近年は夏の天候不順で最需要期の売り上げが伸びなくても、暖房の環境が整った冬場の売り上げ増で落ち込みをカバーする展開にもなっている。メーカー側には、次のような開発事情もある。

 「季節型商品のアイスは、上期(4月〜10月)と下期(11月〜3月)の売上差は約3:1です。そのため、アイス工場の生産ラインも夏場まではフル稼働ですが、秋以降はラインに余裕もできます。メーカーは腰を据えて高額商品の企画開発もしやすいのです」(同)

 夏と冬ではアイスに対する消費者意識も異なる。夏にアイスを食べる理由で多いのは「暑さしのぎ」だが、冬は「癒し」「ごほうび」といった理由が多くなる。それもあって、プレミアムアイスと呼ばれる200円前後の商品も売れる。「夏場の売り上げが圧倒的な氷菓系とは違い、プレミアムアイスは春夏と秋冬の売上差がほとんどない」(大手流通)という。

 また、コンビニアイスについては、業界で「留め型」と呼ぶ、メーカーが特定小売業向けの特別仕様や小売と共同開発した商品も人気だ。最大手のセブン−イレブンが高価格品の「ハーゲンダッツ」と大衆品の「ガリガリ君」双方と組んで成功して以来、コンビニのドル箱シリーズとなった。人気を支えるのは、コンビニでアイスを買う若手世代だ。価格にシビアな主婦層とは違い、限定品や新発売の商品を積極的に試す。

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