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» 2016年06月14日 08時00分 UPDATE

コンビニ探偵! 調査報告書:コンビニ「家主」のトラブルあるある (3/3)

[川乃もりや,ITmedia]
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本部にとって都合のいいコラボ物件

 さて、コンビニ本部は今後も個人家主と契約を結び続けるのだろうか。大手3社は店舗拡大に鼻息が荒いが、いわゆる“優良立地”はあまり残されていない。各社がここぞとばかりに群がった結果、人通りの多いところ、クルマの交通量が多いところ――といった立地はすでにコンビニが押さえている。では、どうやって店舗を拡大させていくのか。

 コンビニ大手3社の「物件募集」のページを見ると、1つの共通点がある。賢明な読者はお気付きかと思うが、全面に掲げているのは、企業ビルや病院、複合施設などとコラボした物件だ。

コンビニ各社、出店のメリット(左=セブン-イレブン、右=ファミリーマート)

 先に紹介した、個人家主とのワケの分からないトラブルの回避策として「ビジネスライク」がある。その対象として最も都合がいいのが、複合施設への出店や企業体とのコラボ物件というわけだ。もちろん、コンビニ需要としてそれらの物件が注目され、出店ノウハウも積み重なってきた時代背景が大きいということもあるだろう。

 もう1つ、法人とつながることでコンビニ本部にとって良いことがある。それは、オーナー問題だ。現在のオーナー不足は深刻な状況である。そこで、店舗を企業内や施設の複合とすることで、企業や施設側に店長を用意してもらう。

 以前から、数店舗をまとめて法人として契約し、運営を行うパターンがある。それを少し進展させた形だ。店舗を企業内、施設内に設ける。そして、運営自体も企業・施設に委ねるのだ。

 筆者のように突然「辞めるぞ」というオーナーがいると、本部は後始末に追われてしまう。店を存続させるかどうか。存続させる場合、後釜のオーナーをどうするか。しかし、運営自体を企業に委ねたら、それは企業が勝手にやってくれる。単なる人事異動問題に変わるからだ。

 個人家主と違って、法人相手はワケの分からないことは言ってこないだろう。しかし、相手はプロ。出店の際、あれやこれやと要望を突きつけられることが予想されるので、コンビニ本部もこれまでのように簡単に契約を結ぶことができなくなるはずだ。

 そうなると、コンビニ本部の「交渉力」が今後の店舗拡大のカギを握ってくるのではないだろうか。エキナカ、病院などでコンビニをよく目にするようになったが、これまでの実績から言えば、やはりセブン-イレブンが一歩リードしているのかもしれない。今後の動向に要注目である。

著者プロフィール・川乃もりや:

 元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿


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