私の取材経験でも、優れた営業マンは聞く力が優れている印象が強い。饒舌(じょうぜつ)な人よりも、明らかに聞き上手な人が多かった。相手が求めていることを聞き続け、相手が欲しいものを提案すれば、売れる確率は間違いなく高まる。なぜなら、相手が欲しいものなのだから。そして、信頼も得られる。
これは、どんな仕事も同じだと思う。しっかり聞くことである。仕事の依頼者に、「何のためにこの仕事はあるのか」「何のために自分は呼ばれたのか」、目的をしっかり確かめることだ。もし、目的がぼんやりしているなら、一緒に考え定めていく。
ただ言われたことをやっているだけでは、得られることはたかがしれている。自ら身を乗り出し、聞く意識を持つことだ。
仕事の目的は何なのかをしっかり尋ねる。その意識を持っていれば、次回以降、解説するターゲットやアウトプットイメージなども自然に聞けるようになる。
仕事は、聞くことから始まるのである。
1966年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループなどを経てフリーランスのライターとして独立。最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論を分かりやすく伝えるインタビューを得意とする。雑誌や書籍などで執筆するほか、取材で書き上げるブックライター作品も70冊以上に。取材相手は3000人を超える。
著書に『やり直し・差し戻しをなくす できる人の準備力』(すばる舎)『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』『なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか?』『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』『職業、ブックライター。』など。
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