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» 2016年07月12日 08時00分 UPDATE

スピン経済の歩き方:「ワキ汗」ビジネスがこの1〜2年で拡大している秘密 (2/5)

[窪田順生,ITmedia]

パラダイムシフトが起きつつある

1974年にニベア花王が「8×4」を発売(出典:ニベア花王)

 1951年、ドイツのバイヤスドルフ社がつくった「8×4」は1974年にニベア花王が日本で発売。当時は既に1967年に発売したライオンのロールオン型の「Ban」が先行していたが、後発の「8×4」に敗れてしまう。

 『「8×4」は良い香りを放つという明るいイメージをテレビコマーシャルでうたい、発売当初からシェアトップに躍り出た。それまで制汗剤は腋(わき)臭を隠すという暗いイメージが強く雑誌などの宣伝が主力だっただけに功を奏した』(1990年11月20日 日経流通新聞)

 そんな風に成長をしてきた制汗剤市場だが、実はここにきて大きなパラダイムシフトが起きつつある。

 『かつてシェアの大半を占めていたスプレー型の比率が年々低下し、ジェル型やロールオン型が伸びている。特にロールオン型は汗をしっかり防ぎたいという消費者ニーズに合致したことでここ1〜2年で急増した』(2016年4月26日 日本経済新聞)

 これまでの制汗剤といえば、「ニオイ鑑定人」がワキの下をクンクンやるCMでおなじみの資生堂「AG+」のように、「ワキの臭い」の対策がメイン。だが、この1〜2年でそれに加えて、「ワキ汗」をいかに防ぐかということにも世の女性たちの関心が集まっているのだ。実際、ライオンでも、『脇の制汗に的を絞った制汗剤の売れ行きは2015年に前年の2倍以上に急伸』(2016年4月26日 日本経済新聞)しているという。

 なぜこの1〜2年で急に制汗剤で「ワキ汗」がフィーチャーされるようになったのか。もしや、地球温暖化の影響で世の女性たちも急激に汗かきに――なんてことはまったくなく、ひとえにメーカー側の「努力」に尽きる。

 実は遡(さかのぼ)ること2年半前、ライオンは新たな汗抑制技術の開発に成功している。ポリマーとナノイオン制汗成分が肌に密着し、ワキから汗が出てくるのをブロックするというもので、従来品と比較してワキ汗の制汗効果は2.5倍となり、汗ジミを防ぐ効果が飛躍的に向上した。

 それと並行して、制汗剤実態調査を実施。女性の社会進出に伴いストレスによる発汗シーンの増加や、シフォン系薄手服飾素材の流行などにより、女性の8割以上が「ワキ汗および汗ジミ」を気にしているという結果を公表したのだ。

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