土肥: 早いタイミングで進出して、原材料などを調達するようですが、そのほかに何をしているのですか?
山下: 例えば、インドネシアの場合、1977年に進出して、現地に工場をつくりました。でも、すぐに現地用のトイレは売れませんでした。なぜなら、インフラが整っていなかったから。そこでどうしたかというと、工場でつくったトイレを海外に輸出していました。
土肥: 「安い労働力を使って、先進国に輸出して稼ぐのね」といった話?
山下: ではありません。現地の人を雇用して、ゴールは現地の人に使ってもらうトイレをつくること。ただ、工場をつくったばかりのときは現地用のトイレはそれほど注文がないので、輸出用のトイレをつくっていました。
土肥: 日銭を稼ぎながら、運営していくわけですね。
山下: はい。中国の場合も、80年代に進出して、工場を建設しました。当初は輸出用のトイレを中心につくっていましたが、今は違う。工場でつくっているほとんどの商品が国内用なんですよね。
「中国やインドといった国で安くつくって、日本に輸出する。そのほうが儲かるでしょう?」とよく聞かれるのですが、基本的に私たちはそのようなことをしません。社会貢献という意味もあるのですが、トイレは生活密着型の商品なので少しでも早くブランドを覚えていただいたほうがいい。ということもあって、現地の方に働いていただき、その国で使うモノをつくっています。
土肥: なるほど。次にどんなことをしているのですか?
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