4000万人がやって来る 外国人が驚く、インバウンド事情

TOTOが成田空港に“最新トイレ”を設置するワケ水曜インタビュー劇場(トイレ公演)(5/7 ページ)

» 2016年07月13日 06時36分 公開
[土肥義則ITmedia]

ウォシュレットも好調に推移

土肥: 話は変わりますが、直近の数字をみると、ウォシュレットも好調ですよね。中国の場合、売上高に占めるウォシュレットの割合が前年と比べ5ポイントも増加している。また、販売台数をみると、2014年を100とすると、2015年は154に増えています。

 この数字の裏にも、やはりホテルや空港などにウォシュレットを設置して、まず体験してもらう。そして、販売網を強化して、消費者が「欲しいなあ」と思ったときに、家の近くのショールームで体験できるような流れで売り上げを伸ばしてきたのでしょうか?

山下: はい、基本的にはトイレと同じです。1人でも多くの人に体験していただくことが重要かなあと。「外国人観光客が増えたので、ウォシュレットも売れているのでは?」といった質問を受けることがあるのですが、それだけでここまで伸ばしてきたのではありません。数年前から「インバウンド」「爆買い」といった言葉に触れる機会が増えてきましたが、ウォシュレットの場合、その前から現地で認知が広まっていました。でも価格が高いので、いわゆる“欲しいモノリスト”の中に入っているんですよね。

土肥: 経済発展していく中で、富裕層が増えてきた。以前は「いつかはウォシュレット」と思っていたのに、財布が膨らんできたので「買うのは今でしょ」となったわけですね。

 日本にもかつて「三種の神器」という言葉がありました。戦争が終わって徐々に景気がよくなっていく中で、仕事をがんばれば「テレビ、洗濯機、冷蔵庫」の3品目を購入することができる――。多くの人が「いつかはテレビ」と憧れ、その後、給料が増えたことで家電製品が広がりました。

 かつて日本で起きたことが、中国でも起きているわけですね。でも、日本では「いつかはウォシュレット」という動きはありませんでした。

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