メディア対抗耐久レースも毎年開催 イベントで絆を強くするマツダとユーザーたちITmediaも初参戦

» 2016年09月09日 05時00分 公開
[伏見学ITmedia]

 多くのメーカー企業にとってユーザー(消費者)との関係構築は、非常に優先度の高い経営課題であることは間違いない。ユーザーは直接的な購買顧客であり、彼らからの評価がメーカーのブランディングに大きくかかわるからである。実際、ユーザーの信頼を損ねて業績が低迷、地に堕ちたメーカーはごまんとある。

 そうした中で、自動車メーカー大手のマツダとユーザーとの関係性は目を見張るものがある。元来、クルマといった趣味趣向の強い商品を提供するメーカーはユーザーと深いつながりを持ちやすいが、とりわけマツダは群を抜いていると言えるだろう。スポーツカー「ロードスター」をはじめとするブランドごと、あるいは地域ごとに数多くのユーザー会が存在し、独自のコミュニティーを形成している。彼らに対してマツダもさまざまなフォローアップを行っている。こうしたユーザーへのマツダの姿勢は、もはや単なる売り手/買い手という関係性を凌駕している。

2015年9月に開催された「三次試験場50周年ファンミーティング」には3000人のマツダユーザーが集結した 2015年9月に開催された「三次試験場50周年ファンミーティング」には3000人のマツダユーザーが集結した

 一例が、昨年9月に広島県三次市で開催された「三次試験場50周年ファンミーティング」だ。三次試験場とはマツダが1965年6月に開業したテストコースで、同社が製造・開発するあらゆるクルマがこの三次試験場でテスト走行して世に送り出される。いわばマツダにとっても、ユーザーにとっても故郷といえる場所である。

 実はこのイベントの主催者は、マツダではなくユーザーたち。ユーザーの気持ちに応える形で、マツダが特別協賛となり、普段は非公開の三次試験場を開放したのである。イベント2日間で全国から3000人のユーザーが自身の愛車(当然マツダ車)に乗って駆け付けた。筆者も現地で取材に当たっていたが、イベント終了後のパレードランで、テストコースをユーザーたちが運転するマツダ車で埋め尽くされたのは壮観だった。

三次試験場のコースをパレードランするユーザーたち 三次試験場のコースをパレードランするユーザーたち

27年前からメディア対抗耐久レースを実施

「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」が開催された筑波サーキット 「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」が開催された筑波サーキット

 マツダとユーザーの絆を示すイベントはこれだけではない。日ごろは時として緊張感を持って対峙する自動車関連メディア/ジャーナリストとともに競い合うレース大会があるのをご存じだろうか。筑波サーキットで毎年開かれる「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」である。

 同レースの歴史は古く、初代ロードスターが発売された1989年にスタート。毎回のように20を超えるチームが参戦する。2015年から4代目(ND)ロードスターをレースカーに使用する。現在の主なレース規則は以下の通りだ。

(1)ドライバーは4〜5人

 媒体の副編集長以上、もしくは女性をドライバーに含めることが必須。

 過去10年以内に主要レースで入賞経験がある助っ人は1人まで。

(2)1人のドライバーの連続運転時間は50分、合計運転時間は96分まで

 ただし、助っ人の連続運転時間および合計運転時間は40分まで。

(3)総ガソリン給油量は70リットルまで

(4)レース中の給油は1回15リットルで、2回(計30リットル)まで

(5)競技車両は完全にワンメイク

 今年9月3日に開催した第27回大会では計27チームが出場。メディア各社に加えて、ロードスターの主査を務める中山雅さんらを擁するマツダチーム、自動車メーカー5社(マツダ、トヨタ、ホンダ、日産、スバル)がタッグを組んだ横断チームなども参加した。なお、「アイティメディアロードスター」というチーム名で当社も初参戦を果たした。

今年のレースは27チームが出場 今年のレースは27チームが出場

 イベント当日は、早朝から筑波サーキットで「ロードスター・パーティレースIII 東日本シリーズ第3戦」「マツダファン・サーキットトライアル第4戦(関東ラウンド)」「オールマツダ・ファミリー走行会」といった併催競技が行われたほか、サーキット内の芝生広場ではマツダによる「モノづくり講座」や「人馬一体講座」、トランポリンや逆バンジージャンプのようなキッズアクティビティなどが用意され、会場を盛り上げていた。マツダ広報に聞くと芝生広場でのこうした催し物は今年が初めてだという。

 メインレースであるメディア対抗4時間耐久は午後4時すぎにスタート。各チーム3走者目あたりからは日が完全に暮れて、ライトを点灯したナイトレースに突入するも、コース上は白熱したレース展開が続いたため、スタンドの観客たちは熱心に撮影したり、お気に入りのドライバーやチームなどに声援を送っていたりと、終盤に向けて筑波サーキットはますますヒートアップした。

初参戦を果たしたアイティメディアロードスター 初参戦を果たしたアイティメディアロードスター

 レースは、180周を4:00'45.647で走り抜けた「ホットバージョンロードスター」(媒体名:Hot-Version DVD)が2004年以来の優勝を飾った。

 アイティメディアロードスターは13位でフィニッシュ。記録は174周、4:01'02.519だった。初出場ながら見事完走した。

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