――『君の名は。』は公開10日で興行収入38億円を突破し、60億円越えも視野に入っています。新海監督は“国民的大ヒット作”の監督になったわけですが、それについてはどういう思いを抱いていますか?
ケンジ: 売れたのは、たくさんの人に知られたという意味では良かったと思います。でも、今回の作品は新海監督の集大成だけど、一般化されたという気持ちがある。「オレたちの新海じゃない!」と思っている過去のファンは多いんじゃないかな。
ヒデタカ: 新海監督は、前は舞台あいさつで直接言葉を交わせるくらい、“会いに行ける監督”でした。それがいつのまにか庵野秀明や細田守と名前が並ぶようになった。遠くなっちゃったな……。すごいことだけど、『君の名は。』だけを見て「新海監督いいよね!」と言わないでほしい……。せめて『秒速』を見てから。細田監督作品でいうと『サマーウォーズ』を見る前に『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』を見てほしい、みたいな。
ケンジ: でもこれって、応援していたインディーズバンドがメジャーになって寂しい気持ちになるのと同じ。昔からのファンが障害になっちゃいけない。今作でハマった若い子たちにはぜひ過去作も見てもらいたいですね。
ヒデタカ: こじらせ男子への耐性をつけてほしい。
――今後、新海監督には、どんな作品を作ってもらいたいですか?
ケンジ: インタビューで新海監督は「本作でやっと、長編をコントロールできるようになった」と語ってるんですね。だから、今回の集大成の“その先”を見せてほしいです。『君の名は。』はエンタメとして完成しているけど、物足りなさがある。今の技術力で、『秒速』みたいな作品を作ったらどうなるのかが知りたい。
ヒデタカ: 大衆向けは一区切りにしてほしいですね。『君の名は。』は、新海作品の系譜と、ジブリ作品の系譜と、『あの花』などのアニメの系譜を持っている。視野が広がった新海監督の作品を見たいです。
――ありがとうございます!
ケンジ: そういえば、『君の名は。』でどうしても分からなかったことがあって。瀧は三葉をいつ好きになったんだろう……?
ヒデタカ: あーっ、分からなかったです! いきなり好きになったよね……? 女子高生、リア充に解説してほしい!
(その後、2人による新海誠トークは1時間以上続いた……)
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