そしてもうひとつ、重要な要素がある。身体が痩せることによって、心が安定していったことだ。メンタル面でも「WHO SUBI(心の健康自己評価質問調査)」を行ったが、自身の幸福感の高まり、前向きさ、やる気やコミュニケーションなど、改善している数値が出ていたという。ライザップは「心と体に輝きを」という理念を掲げているが、身体が変わることによって内面も輝いていったことが分かったのだ。
適度な運動は、脳内に「幸せホルモン」と呼ばれる脳内物質、セロトニンの分泌を促し、気持ちをポジティブにしやすくするとも言われてきた。これまで考え方として言葉にされてきたことを調査することで、事実として明らかになってきている。
今後は、こうしたデータ分析をさらに押し進めて、いわゆるエビデンスをたくさん蓄積し、未来につなげていきたいという。「結果にコミット」「ダイエットにコミット」をさらに一歩踏み出し、「健康数値の改善にコミット」することを打ち出していきたいというのだ。
書籍制作にあたっての取材で、私は興味深い言葉を幾度も聞くことになった。スタッフへのインタビューで、入社前、ライザップにいいイメージを実は持っていなかったスタッフもいたのだ。怪しいんじゃないか、大丈夫なのか……。ところが、入社してそれが大きく変わった、と。
インパクトのあるテレビCMのイメージもあるのかもしれない。ギラギラ、イケイケといった印象をつい持ってしまう。ところが、店舗に行っても、本社に行っても、実際の印象はそうではないのだ。私もそれは感じた。
店舗では、爽やかで丁寧な接客を受けた。本社での取材は、極めて真摯(しんし)でまじめなものだった。あるスタッフはこう語っていた。
「スタッフみんなが本当にまじめに前向きに、一人ひとりのお客さまに対して、『何ができるか』ということを真剣に考えている」
そして、こうも言っていた。
「世の中から愛され尊敬される企業になっていくためにも、自分たちがやろうとしていることを、しっかり世の中に伝えていかないといけない」
本当のライザップの姿を知ってほしい、ということだ。
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