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» 2016年12月06日 06時45分 公開

「ぽろしり」誕生に10年以上:カルビー、ジャガイモ新品種開発のわけ (2/3)

[伏見学,ITmedia]

ぽろしりが必要だった理由

 ぽろしりは、カルビーのグループ会社で、ジャガイモの調達や加工などを担うカルビーポテトが開発。現在、カルビーのポテトチップス商品に使われている品種は「トヨシロ」「スノーデン」「キタヒメ」で、この3品種でおよそ9割を占める。ぽろしりはそこに加わる主力の品種として期待されているのだ。

ぽろしりは2016年に作付けを開始した(写真提供:カルビー) ぽろしりは2016年に作付けを開始した(写真提供:カルビー)

 ぽろしりの特徴は、ジャガイモの天敵である「シストセンチュウ」という害虫や、外観品質の低下を招き、商品価値を損なう「そうか病」に抵抗性があること。トヨシロにはこれらに対する抵抗性がないことが大きな欠点だった。

 収穫時期も既存の品種とは異なる。ぽろしりの開発責任者であるカルビーポテト 馬鈴薯研究所 品種開発課の津山睦生課長によると、北海道ではトヨシロが9月上旬、キタヒメとスノーデンは9月下旬(20日ごろ)以降に収穫が始まる。ぽろしりはちょうどその間の9月中旬に収穫できるという。微妙な差に思えるかもしれないが、収穫時期をずらすことがリスク分散となって、ジャガイモの調達の安定化につながるのだという。

 そのほかにも、ぽろしりの形状は俵型で凹凸(おうとつ)がないので、皮がむきやすいといった特徴がある。「通常のジャガイモは芽が出ているところはくぼんでいるが、ぽろしりはその部分が浅いので加工しやすい。これが商品製造工場での生産性アップに寄与している」と津山課長は説明する。さらに、カルビーが商品に使うジャガイモは大きさや形に基準値を定めているが、ぽろしりは変形したり、中身が空洞になる生理障害だったりが少なく、規格品が収穫しやすいという特色がある。

ぽろしりの収穫風景(写真提供:カルビー) ぽろしりの収穫風景(写真提供:カルビー)

 2016年度は契約農家を中心に約200ヘクタールの作付けを行い、2018年度には約500ヘクタールの普及を見込む。

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