コラム
» 2016年12月12日 15時15分 公開

これから起こる「トランプリスク」とはマネーの達人(5/6 ページ)

[原彰宏,マネーの達人]
マネーの達人

過激な発言は選挙に勝つため

 トランプ氏との急きょの会談は、もちろん安全保障の問題もあるでしょう。「もっと金を出せ」という日本への要求は、選挙期間中にずっと言っていたことですから。

 トランプ氏は実業家であることも重要な要素です。それは「リアリスト」であるということです。

 選挙期間中は、選挙に勝つための戦略をとってきたのでしょう。クリントン氏に対し資金力で圧倒的に劣るトランプ氏は、マスコミが取り上げるようにわざと過激な発言をすることで、テレビをはじめとするメディアへの露出度をあげてきたと思われます。非難されてもメディアに取り上げられる実益を選んだ、お金をかけずに宣伝する方法を選ぶなど、選挙に勝つためにリアリストに徹したのでしょう。

 選挙中の話を全部実現できるとはとても思えません。つまり、あの数々の過激発言は、選挙用といえるでしょう。

 トランプ氏は、今後は大統領としての立場で、現実に即した対応をしてくると思われます。選挙期間中は全面否定していた「オバマケア」と呼ばれる保険制度も、完全撤廃ではなく、一部は残す方針に変わってきました。日本への核武装容認発言も、大統領選挙に勝利した後は、その主張を大きく変えてきています。

 トランプ氏の、実業家としての物事の判断基準は、

  • コスト
  • 効率
  • 平等、不平等

 です。この3つの要素を中心に、米国をいかにもうけさせるかという観点で政治を進めていくと思われます。ある意味、分かりやすい政権運営になるでしょう。

 キーワードは、米国ファーストという立場からの「再交渉」です。今までの各国との交渉を、自国利益優先に再度交渉してくると思われます。TPPは、米国のルールを各国に押し付けるものですから、米国にとっては有利なものとなっています。今のままではTPP締結はしないが、より米国に有利な条件で再交渉する可能性はあると思います。

 米国ファーストをどう解釈するのか。経済面、安全保障面、外交面それぞれで解釈は違ってくるでしょう。

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