ゴジラ松井、巨人のキャンプに不参加のワケ赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2017年01月13日 07時10分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 巨人にとっては計算外だったに違いない。OBの松井秀喜氏が今春の宮崎キャンプ訪問を見送ることになったからだ。2014年以来、同氏は3年連続で古巣のキャンプを訪れていた。2014年に初めて臨時コーチとして宮崎キャンプの全日程に帯同し、選手たちを熱心に打撃指導。2015年は2日間のみの訪問となったが、2016年は指揮官に就任したばかりの後輩・高橋由伸監督を全面サポートするべく2年ぶりに臨時コーチとして宮崎キャンプにフル参加していた。今年も当然来てくれるはず――。大半の巨人関係者はそう思っていたものの、あっさりと頓挫。どうやら昨年末の時点で早々に本人側から「NO」の返事が巨人側に届いたようだ。

 一部でも報じられていたが、松井氏本人のスケジュールの調整がつかなかったというのが理由らしい。だが、それはあくまでも「表向き」で「真相は別のところにある」と見る向きが周囲の大半を占めている。というのも、水面下における巨人側の囲い込み攻勢に対して松井氏が強い嫌悪感を抱いていたとささやかれているからだ。

 3年連続で宮崎キャンプを訪問していたものの、松井氏は自身にスポットライトが浴びせられる状況も好ましく思っていなかった。自分はOBとはいえ基本的に部外者の臨時コーチであり、キャンプの主役はあくまでも選手。にもかかわらず、過去3年間はいずれも自分の一挙一動ばかりが注目されてしまった。「選手に申し訳ない」という不本意な気持ちにさいなまれると同時に非常に強い違和感も覚えていたのである。

 これまでも自分からアプローチをかけ、参加させてほしいと言ったことは一度もない。昨年こそ現役時代から関係の深かった高橋監督(注:「実を言えば高橋監督は松井氏のキャンプ訪問をそれほど望んでいたわけではなく、有力者たちから『松井氏にキャンプ訪問を直接頼んでほしい』と要請された」と指摘する関係者は数多い)に直接オファーをもらったこともあって二つ返事で参加をOKした経緯があったとはいえ、古巣・宮崎キャンプでの打撃指導は決して自ら望んでいたことではないのだ。

松井秀喜氏はなぜ巨人のキャンプに参加しなかったのか(出典:巨人のFacebookページ)
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