ホンダと日立オートモティブシステムズは2月7日、電気自動車(EV)などの電動車両に搭載するモーターの開発や製造を担う合弁会社を設立すると発表した。電動車両市場の拡大が見込まれることから、協業によって基幹部品の競争力を高める。同日、両社のトップが会見し、狙いを語った。
合弁会社は7月に設立予定で、日立オートモティブが51%、ホンダが49%を出資する。資本金は50億円。日立オートモティブのパワートレーン事業部がある茨城県ひたちなか市に生産拠点を置く。
新会社では、EVやハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車両に搭載するモーターの開発、製造、販売を行う。新会社設立後、米国と中国にモーターの製造と販売を行う子会社を設立する計画だ。
ホンダは、電動車両の基幹部品であるモーターを自社技術で開発、製造してきた。電動車両市場の拡大が見込まれる中、「より競争力のあるモーターが必要」(八郷隆弘社長)として、取引先でもある日立オートモティブと組んだ。
八郷社長は、2030年ごろにグローバル販売台数の3分の2をHV・PHV・EV・燃料電池車(FCV)といった電動車両にする計画を掲げた。電動車両の普及を念頭に、「自動車メーカーとサプライヤーの知見を合わせて、シナジー効果やスケールメリットを生み出したい」と意気込みを語った。
ホンダは、新会社が開発したモーターをHV、PHV、EVに搭載していく方針。その一方で、自社製モーターの生産も継続する。将来的には合弁会社と一緒に開発・生産することも検討していくという。
日立オートモティブは、日立製作所の自動車部品事業を担い、日産自動車やトヨタ自動車、米ゼネラル・モーターズにもモーターを供給している。関秀明社長は「小型・軽量、高出力・高効率といった性能で差別化することに心血を注いできた。今回の合弁会社設立で、競争力を増強したモーターをグローバルに拡販し、車両の電動化を支援していく。また、モーター事業のさらなる基盤強化を図りたい」と狙いを説明した。
今回の合意に至った経緯として、関社長は「サプライヤーとしていろいろな提案をさせていただいた結果」と説明。日立オートモティブとしては、他の既存顧客との取引は継続していく。新会社がホンダ以外のメーカーと取引する可能性については、「お客さまに理解してもらえるなら、どんどん外販してモーター会社の競争力をつけてほしい」とホンダから言われていることを明かした。「現在のお客さま、ホンダさん、そして将来のお客さまの3者にとってメリットがある形態にできる」と強調した。
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