トヨタ、新型排出ガス浄化触媒を商品化 貴金属2割削減世界初の設計

» 2017年02月22日 18時55分 公開
[ITmedia]

 トヨタ自動車は2月22日、新型の排出ガス浄化触媒を商品化したと発表した。世界初の設計手法による触媒基材を使用。貴金属使用量を約20%低減し、容量を約20%小型化した。今春発売予定の「レクサスLC500h」から搭載する。

 排出ガスを浄化する機能を持つ触媒の新基材「FLAD」をデンソーと共同開発した。中心部はセルの密度が高く、周辺部は密度が低い構造をしている。この基材を一体成形する世界初の設計・製造技術を開発し、量産化を実現した。

photo 従来の触媒と新型触媒の構造の違い(トヨタ自動車)

 通常、触媒内部の排出ガスの流れは、中心部が周辺部よりも速いため、中心部の方が多くの排出ガスが流れる。そのため、通過量が多い中心部では、白金やロジウムなど貴金属を含む触媒材料がより多く必要だった。

 新型触媒は、中心部の排出ガスの流路が狭く、周辺部の流路が広くなっている。排出ガスが流れる量がどの部分でも均一になる状態に近づけた。それによって、触媒材料の浄化効率を向上し、塗布する貴金属の量の低減を実現した。

photo 従来の触媒と新型触媒の排出ガスの流れ方の違い(トヨタ自動車)

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