トヨタ、16年4〜12月期営業益32.5%減 通期は上方修正注目の米国情勢にも言及(1/2 ページ)

» 2017年02月07日 10時20分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 トヨタ自動車が2月6日発表した2016年4〜12月期連結業績は、営業利益が前年同期比32.5%減の1兆5554億円だった。日本や北米で販売が好調だったものの、為替変動の影響で利益を減らした。17年3月期通期の業績見通しは、為替レートを円安方向に見直したことにより、従来予想を上方修正。営業利益は前期比35.2%減の1兆8500億円を見込んでいる。

photo 米国で1月に発表した新型「カムリ」(米国仕様)

販売は好調、為替変動が響く

 16年4〜12月期の売上高は前年同期比6.0%減の20兆1547億円、純利益は24.0%減の1兆4327億円だった。

 連結販売台数は2.3%増の664万3000台。日本では新型小型車「ルーミー/タンク」やハイブリッド車「プリウス」が好調で販売台数は9.2%伸びた。北米は「RAV4」「ハイランダー」「タコマ」など、スポーツタイプ多目的車(SUV)やライトトラックの人気が継続。アジアでも、インドネシアやフィリピンで新興国戦略車「IMV」の新型車などが販売をけん引した。

 一方、前期と比べて円高だったことが業績に大きく影響。営業利益は、為替変動による減少が7700億円に上った。また、各地域で経費が増加したほか、アジアから中近東向けの輸出が減少したことも響いた。

通期は円安効果で上方修正

 通期見通しは、売上高、利益ともに16年11月に公表した業績予想を上方修正。売上高は前期比6.7%減の26兆5000億円、営業利益は35.2%減の1兆8500億円、純利益は26.5%減の1兆7000億円を見込んでいる。

 その要因は、想定よりも円安で推移している為替の影響が大きい。通期の為替レートを、米ドルで1ドル=103円から107円に見直した。それによって、2550億円の利益を上乗せできると予想している。

 一方、為替の影響を除くと、従来予想と比べて1300億円の利益減少となる。原価改善活動は進んでいるものの、米国の中古車価格の下落や経費の増加などを見込む。都内で会見した大竹哲也常務役員は「前期比でみると、為替変動の影響を除く営業利益のマイナスは150億円の見通し。残り2カ月で改善活動を積み上げて挽回したい」と語った。

 連結販売台数は、従来予想を5万台上方修正し、2.5%増の890万台の見通し。北米でライトトラックの供給体制が改善していることに加え、中南米における販売台数の増加を織り込んだ。非連結会社の製造・出荷分を含むグループ総販売台数は、0.6%増の1015万台を見込む。

photo 2016年4〜12月期決算を発表するトヨタの大竹哲也常務役員

 会見した早川茂取締役・専務役員と大竹常務役員の主な発言は以下の通り。

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