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» 2017年03月10日 08時00分 公開

「SPACETIDE」で語られた宇宙ビジネスの今宇宙ビジネスの新潮流(2/3 ページ)

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]

パネル1「宇宙ベンチャーの拡大と将来」

 イベントでは4つのパネルを行った。パネル1では「日本の宇宙ベンチャーの拡大と将来」と題して、小型衛星開発のアクセルスペースの中村友哉CEO、PDエアロスペースの緒川修治CEOに加えて、人工流れ星を作る宇宙エンターテイメント企業・ALEの岡島礼奈CEO、衛星を持たずにデータ解析に特化するスペースシフトの金本成生CEOが登壇し、モデレータは野村総合研究所の佐藤将史氏が務めた。

左から佐藤氏、岡島氏、緒川氏、金本氏、中村氏 左から佐藤氏、岡島氏、緒川氏、金本氏、中村氏

 「宇宙をどう使っていくのか、という時代になってきた」――これが全パネリストから出て来た声だ。

 「宇宙エンターテイメントとして流れ星を楽しんでもらうだけでなく、流れ星観測で基礎科学分野に貢献したい」(岡島氏)

 「宇宙を身近にするために、低コストで利便性の高い宇宙機を開発している」(緒川氏)

 「2022年までに50機の衛星を打ち上げて、世界を毎日見るための新しいインフラを作る」(中村氏)

 「これまで宇宙コンテンツ、サイネージなどやってきたが、これからは衛星データ解析に注力して、世界の変化をとらえていきたい」(金本氏)

 一口に宇宙ビジネスと言っても、バリエーションが豊富になってきたのが2017年の特徴だ。

 そうしたビジネスを作るための業態間連携の言及も多い。

 「これまでは、宇宙機開発も運行も販売も、すべて自分たちでやろうとしていたが、HISとANAと組んだことで分業できる。宇宙旅行をするための国内最強チームができた」(緒川氏)

 「衛星データの入手、信号処理、自動解析などをやろうとするとベンチャーだけではできず、産総研と組んでいる」(金本氏)

 「まずデータを使ってみようという思いを共有できる企業と試行錯誤して、とにかく事例を作っていくことが重要」(中村氏)

 このように、ベンチャー各社も大手企業等とのコラボレーションを期待している。

 さらに、人材に関しては「エンジニアだけではなく、デザイナー、アーティスト、ビジネスなど多様な人材がいる」(岡島氏)、「現在社員は25人ほどだが、外国人が6人。毎日1通以上の応募が来るが、その80%は海外からだ」(中村氏)、「先日説明会をしたときには現役のパイロットの方が来た。有人というキーワードで飛行機と宇宙がつながっているのではないか」(緒川氏)など、宇宙ビジネスを作る上で多様なスキルセットを持ったチームが重要であることが語られた。

 また、岡島氏は「2019年に広島&瀬戸内で最初の流れ星を行う。他方で、ドバイからシティプロモーションに人工流れ星が使えないかと相談があった。世界から問い合わせが来る」と話す。起業家たちの挑戦に世界の注目や期待が集まっているのだ。

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