経済産業省は3月22日、案内用図記号(ピクトグラム)の見直しのうち、7つの案内用図記号の変更などについて最終案を取りまとめた。温泉を示す「温泉マーク」は国際規格に変更する予定だったが、温泉関係者などから存続を求める声があり、最終的には「選択制」とすることで決着した。
新マークなどを定めた「JISZ8210」は7月20日付で改正される。
図記号は日本工業規格(JIS)で定められているが、国際標準化機構(ISO)と異なるものがあり、外国人観光客にも分かりやすくするために見直しを進めていた。
温泉マークもその1つ。現行のマークでは温かい食べ物のことだと間違えられるといった指摘があり、入浴している人も入っているISO版の図記号に変更する方針だった。
だが長く親しまれたマークだけに、温泉関係者などから反発の声が上がった。経産省のアンケート調査によると、日本人の63%が「現行のマークが分かりやすい」と回答した一方、外国人は71%が「ISOのマークが分かりやすい」と答えた。日本人と外国人で理解度の評価が分かれたため、現行マークと新マークの選択制とすることで落ち着いた。
選択制はどちらかを選んで表示するもので、「適切な案内用図記号を選んで表示するもので、両方を並べて表示するという意味ではない」としている。
駐車場、手荷物受取所、救護所、乳幼児用設備(ベビーケアルーム)、乗り継ぎ(飛行機)の図記号は、アンケート調査の結果、日本人、外国人共にISOマークの方が理解度が高かったとして、新マークに移行。現行マークは2年間の移行期間を設けて廃止することに決めた。
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