天然水の主力商品は2リットル・550ミリリットル入りペットボトルになるが、フレーバーウオーターなどのサブカテゴリー商品も近年の成長を下支えしている。糸瀬さんが天然水の仕事を始めたころ、13年に炭酸水の「スパークリング」、14年にフレーバーウオーター「朝摘みオレンジ」を投入していて、今後のブランド戦略が課題になっていた。
フレーバーウオーター市場は、日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す」など、他社の商品が先行していた。そのため、後発となる新商品は失敗できない。社内でも天然水ブランドに対する期待は高く、機運が高まっていた。「新しい価値をつくっていくというモチベーションが高まった」と、糸瀬さんは振り返る。
次の一手として決まった新商品は、朝摘みオレンジに次ぐフルーツフレーバー。糸瀬さんが加わった14年9月の時点で、中身もパッケージも決定していた。
ちょうどそのころ、中身を開発する研究所で、ある研究員が生み出した味に注目が集まっていた。「こんな味ができた」と、研究員が自発的に提案した味。それが、乳性フレーバー。後に「ヨーグリーナ」として世に出るフレーバーウオーターだった。
研究所での話はたちまち広まり、その水が「おいしい」と話題に。上層部にも伝わり、チームの雰囲気は変わっていった。
そして、決まっていた新商品計画の変更を決断。14年9月、新商品発売まで約半年。商品名やパッケージを決める時間は、たった2カ月しか残されていなかったが、ここから糸瀬さんら天然水チームの奮闘の日々が始まる。
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