爆発的なヒットとなった「ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」
糸瀬さんらの不安を吹き飛ばすかのような「想定外の売れ行き」でヨーグリーナの販売は幕を開けた。
ところが、大きな問題が起きる。生産能力を上回るほど売れてしまったのだ。メディアが大きく報じたため、ご存じの人も多いだろう。発売してすぐに出荷停止に追い込まれる。再開までには2カ月半を要した。
その間、糸瀬さんは大量に生産するための交渉に走り回っていた。天然水シリーズは、採水地にある工場を拠点として、川上から川下まで、全ての工程がブランド構築の重要な役割を担っている。それを支える製造現場に対して、無理難題ともいえる大量生産をお願いした。在庫を抱えることはリスクにもつながるため、「責任を取れるのか」と責められることもあった。それでも、供給体制を整えることが優先だった。
「売れないといけないが、商品を切らしてもいけない」というプレッシャーがかかる中、迎えた15年6月30日の販売再開。再び世に出たヨーグリーナは順調に走り出し、糸瀬さんは「また認めてもらえた」と胸をなでおろした。
そして、9カ月後の16年3月に販売数量1000万ケースを突破。フレーバーウオーター市場で、過去最速のペースを記録した。
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