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» 2017年03月27日 07時25分 公開

弱点を克服し、利用者に恩恵:東武鉄道は「つながり」を大切にしている会社だ、と思える事例 (2/3)

[小林拓矢,ITmedia]

東上線の短い複々線は?

 乗客の多い東武の路線をみると、東武東上線がある。池袋から寄居へ向かう路線だ。この路線には、和光市から志木までの短い区間に、複々線が設定されている。

 東上線には、副都心線や有楽町線に乗り入れる列車がある。有楽町線との相互直通運転開始のときに、複々線にしたのだ。副都心線からは、さらに東急東横線に乗り入れる。

 やはり東上線も、沿線が住宅地として発展してきたため、多くの人が利用するようになった。ところが、東上線だけではさばけない。そこで、和光市から地下鉄に入り、都心を目指すようにした。なお和光市には、東京メトロの和光検車区がある。

 和光市から、という短い区間の複々線は、東京メトロとの協力関係の存在がなければありえない。

 なお、東京23区の隅っこにある成増からは、東上線沿線から都心に向かう乗客をさばくために普通列車が運行されている。もし地下鉄がなく、東上線沿線の乗客を東上線だけでさばく……と考えると恐ろしいものがある。

 このように、東武鉄道は「ネットワーク」を大切にする会社なのだ。

JRなどとの協調

 このほかにも、東武鉄道がネットワークを大切にしている会社だと思える事例がある。東武日光や鬼怒川温泉へ向かう特急は、基本的には浅草から出発する。しかし、JR東日本の新宿駅を出発し、栗橋駅で東武日光線に乗り入れ、東武日光や鬼怒川温泉へ向かう列車もあるのだ。

 国鉄時代、都心から日光へ向かう列車は東武とはライバル関係だった。たがいに豪華な車両を投入し、東武がデラックスロマンスカー1720系を投入したことで勝負は決したかに見えた。

 だが、東武が東京西側からの集客を増やしたいと思う一方で、JR東日本も観光地、日光への輸送需要に応えたい。日光線では、宇都宮で方向転換する必要がある。この両者の思惑が合致し、東武とJRは長年の因縁を乗り越え、手を結んだ。そうして生まれたのが「日光」と「スペーシアきぬがわ」の特急列車である。

 また、東武鉄道はJR5社や秩父鉄道、真岡鐵道、大井川鐵道からの協力を得て、SL復活プロジェクトも行っている。これも、「つながり」の鉄道会社である東武らしい事業である。

新越谷駅に入線する東急の車両。東急、メトロ、東武の3社で相互乗り入れしている

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