安倍夫人はやっぱり「珍しい存在」、これだけの理由世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

» 2017年03月30日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


 最近日本のメディアを大いに騒がせている森友学園のスキャンダル。安倍晋三首相や昭恵夫人と、学校法人森友学園との関係などを巡り、現金授受にまで話が発展して国会で参考人招致が行われるほどの事態になっているが、このニュースは海外でも広く報じられている。

 ではどう報じられているのか。例えば米CNNは、森友学園の籠池泰典元理事長が軍国主義的だとの指摘を紹介し、「そうした(籠池氏に対する)批判は、安倍首相が日本の歴史の話になると傲慢になると考えている安倍否定派たちの共感を呼んでいる。

 中国の新華社通信は、「数百人の学生や市民が3月23日夕方に国会の前で、安倍首相と昭恵夫人が関与している学校の土地売買スキャンダルに抗議するデモを行った」と紹介し、「安倍の支持率は低下しており、2012年に首相に再任してから最も深刻な危機となっている」と書く。

 英ロイター通信は元日本政府高官(匿名)の「リーダーの妻は武器にも毒にもなる」というコメントを引用し、「日本の政治家の妻は、地元選挙区で支持を深めながら目立たないようにしているものだが、今回の問題によって、目立つ『ファーストレディ』という役割のリスクを露呈した」と報じている。

 今回の騒動では、安倍首相よりも、森友学園の名誉校長に就任した妻の昭恵夫人にスポットライトが当てられている。スキャンダルの主役となったファーストレディは、ロイター通信が指摘するように、夫の足元を思わぬところからぐらつかせた。海外メディアは昭恵夫人のことを「珍しい存在」として取り上げているが、その行動からは首相夫人としての矛盾が見えてくる。海外の報道を通して探ってみたい。

海外メディアは昭恵夫人のことを「珍しい存在」として取り上げているが……(安倍昭恵氏のFacebookページ)
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