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» 2017年04月03日 06時00分 公開

発売から1年:「どうせ売れない」を覆した「もぎたて」大ヒットの理由 (2/3)

[鈴木亮平,ITmedia]

「収穫から24時間以内に搾汁」新鮮さを徹底追及

 居酒屋が提供する生搾りレモンサワーのような新鮮さを出すため、宮广さんは「収穫から24時間以内に搾汁」した果汁だけを使用することを決めた。それを実現する際に最も苦労した点は、果汁の調達先探しだ。

 「多くの果汁メーカーでは、収穫した果物がある程度たまってから搾汁する方が効率が良いため、基本的には収穫から3日程経過してから搾汁します。また、搾汁工場までの距離が近い農園でなければ『24時間』をオーバーしてしまうため、物流面での条件を満たす必要もありました」

 当然、こうした条件を満たす果汁メーカーは簡単には見つからない。しかし、もぎたての新鮮さを実現するためにも、収穫から24時間以内の搾汁は譲れなかった。現在も、新しいフレーバーを開発するたびに、条件を満たす果汁メーカー探しに頭を悩ませているという。

 また、製造フローも見直した。材料に劣化(酸化)防止効果のある素材(調合液)を投入し、商品を仕上げるときに行う高温殺菌では、通常よりも低温で殺菌することで香味成分の劣化を防いだ。

 特に、重要だったのが高温殺菌のプロセス。温度が高すぎると香味成分は劣化し、逆に温度が低すぎると品質を保てない(微生物を排除できない)。品質を保ちながらどのくらいまで温度を下げれるのか、何度も実験を繰り返したという。

 「高温殺菌による劣化は仕方がないもの――。これが業界全体の常識でした。しかし、劣化を諦めてしまえば、ユーザーが求めている理想の酎ハイは実現できません。常識を疑い、実験を繰り返した結果、今までよりも低い温度で微生物を排除できることが分かりました」

 こうした試行錯誤によって生み出された「アサヒフレッシュキープ製法」(特許出願中)によって、レモンの風味を感じる香気成分濃度が他社製品の10倍も高くなるという実験結果も得られた。

 「他社製品と同じぐらいのおいしさではユーザーは振り向いてくれません。ブランドが生き残るためには、おいしさで圧倒し、そして、他社がマネできない技術が必要なのです」

photo 他社製品を圧倒するフレッシュさを実現(出典:アサヒビール)

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