なぜリーダーは「自分の経験」を伝えなければいけないのか水曜インタビュー劇場(応援される公演)(1/5 ページ)

» 2017年04月12日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 「管理職になったのはいいけれど、部下をどのように教育したらいいのか分からない」といった悩みを抱えているビジネスパーソンも多いのでは。そんな人にオススメするのが、チームをまとめてきたリーダーの声である。

 このように書くと、「ビジネス界で成功してきた重鎮の声を紹介するんでしょ」と思われたかもしれないが、今回は違う。水泳界である。「オレの仕事と水泳なんて関係ないよ」と早合点して、違うページに飛ばないで……いや、“泳がないで”いただきたい。

 ご登場いただくのは、松田丈志さんである。オリンピック4大会に出場し、4つのメダルを獲得。競泳チームのキャプテンを務めていた松田さんはチームをどのようにまとめていたのか。また、若手選手とどのように接していたのか。話を聞いた。

 →スポーツ界で“オレ様”が減っている、なるほどな理由(前編)

 →後編、本記事

大舞台で結果を出す人の特徴

土肥: 松田さんはロンドン五輪(2012年)の前年に、日本代表競泳チームのキャプテンに就任しました。野球やサッカーのキャプテンといえばなんとなくチームをまとめなければいけない重要な存在といったイメージがあるのですが、水泳はちょっと違いますよね。個人がタイムを競うので「チームなんて必要ない。だからキャプテンも不要」と思っている人も多いかもしれません。

松田: 私もキャプテンという立場を与えられるまで、「キャプテンなんて必要なのかなあ」「チームで戦うことってそんなに大切なことなのかなあ」と思っていました。会社で例えると、キャプテンって管理職のようなもの。指名されたとき、正直に言うと「面倒なことを引き受けてしまったなあ」と感じていました。ただ、人をまとめる立場に立ってみると、「自分が成長できている」ことを実感することができたんですよね。

土肥: キャプテンになってどんなことをしたのでしょうか?

子どものころから松田丈志さん(左)に水泳を教えてきた久世由美子コーチ(右)。場所はリオオリンピックのメインプールサイド
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