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» 2017年04月22日 08時00分 UPDATE

繁盛店から読み解くマーケティングトレンド:ギンザ シックスが「規格外」である理由 (3/4)

[岩崎剛幸,ITmedia]

初年度から営業利益は10億円以上

 J.フロントが目指してきた事業モデルは「新百貨店モデル」です。これまでの百貨店商売のあり方を根本から見直し、まったく新しい百貨店モデルを作るために、同社では20年近く前から営業改革に取り組んできました。

 従来の百貨店モデルは消化仕入れモデルと呼べる取引形態が主でした。商品が売れた時点で仕入れ計上するというやり方で、百貨店がリスクを持たずに商売ができる仕組みを日本の百貨店は作ってきました。結果的にこの方式で百貨店もアパレルメーカーも伸びてきました。しかしそのモデルが2000年ごろから通じなくなりました。

 一方で、成長を続けてきたのが「ルミネ」や「アトレ」などの駅ビル系です。こちらは「不動産事業モデル」と呼ばれます。各ブランドと定期賃貸借契約し、固定で家賃をもらいながら売り上げ歩合でプラスアルファの家賃をもらうというやり方です。ディベロッパーとしての独自性は出しづらいですが、ブランドをそろえた時点で商売としての採算が読めるわけです。結果的に同モデルを採用した駅ビルや郊外型モールが成長し、旧来の百貨店モデルに頼ってきた店は衰退していきました。

 ギンザ シックスは駅ビルなどとは条件は異なるものの、基本的にはこの不動産事業モデルを基にブランド編成しているようです。六本木ヒルズなどを展開する森ビルと協業していることもこのモデルを推進することに一役買っているでしょう。

 このような経営方式によって、ギンザ シックスは年間来場客数2000万人、初年度売り上げ目標600億円を目指しています。結果的に初年度から10億円強の営業利益を見込むという強気の数値目標が設定できているのです。

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