こうした各社の動きは、単なる個別企業戦略の話にとどまらない可能性がある。消費市場に構造的な変化が生じており、近い将来、小売と外食の垣根が消滅する可能性が出てきたからだ。カギを握るのは、このところ急成長を遂げているITを活用したデリバリーサービスである。
スマホを使った配車サービスの最大手Uber(ウーバー)は、外食のデリバリーサービスである「UberEATS(ウーバーイーツ)」を2016年からスタートさせている。楽天も同様の配達サービスである「楽びん」を提供している。
ウーバーイーツは、提携する約500店舗(2017年4月時点)が提供するメニューの中から好きなものを選ぶと、指定の場所まで配達してくれるというもの。アプリでオーダーすると、画面には「準備中」「配達中」といったステータスが表示され、やがて配達員が料理を持ってくる。楽びんもほぼ同じサービスで、約300の店舗と提携(2016年12月時点)しており、希望の料理を自宅で楽しめる。
楽びんでは一部、コンビニからの配達にも対応しているが、コンビニが焼鳥などの総菜メニューを拡充することになると、デリバリーサービスの中においてコンビニと外食は完全に競合となる。デリバリーを頼む顧客にとっては提供するお店が小売店なのか外食なのかは関係ない。純粋に値段と味の問題になるので、市場のルールが大きく変わってくるのだ。
「UberEATS(ウーバーイーツ)」
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