大手スーパー買収のアマゾン、小売の「帝国」になれるのか来週話題になるハナシ(1/4 ページ)

» 2017年06月22日 08時00分 公開
[藤井薫ITmedia]

来週話題になるハナシ:

 24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。

 そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。


 出版業界や小売業界などのビジネスモデルを次々と破壊してきた、ネット通販大手のAmazon.com(アマゾン)。そのアマゾンがいま、生鮮食品を取り扱うスーパーマーケット業界に照準を合わせている。

 近年、米国のスーパーマーケット業界からは、あまりいいニュースを聞かない。倒産に追い込まれる企業が続出したり、低価格を売りにするドイツ企業のALDI(アルディ)の勢力拡大で競争も激化している(関連記事)。

 そんなスーパーマーケット業界に、新たな衝撃が走った。6月16日、アマゾンが米オーガニック系スーパーマーケットのWhole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)を買収すると発表したのだ(関連記事)。あのアマゾンがスーパーマーケット業界に本格的に参入するというニュースは、世界を駆け巡った。

 今回の買収額137億ドル(約1兆5000億円)は、アマゾンが過去に行なった企業買収の中で、最も高額となる。ちなみに、過去最大規模と言われたZappos(ザッポス)の買収額と比べると約11倍にもなることから、アマゾンは半端なく気合が入っているのがうかがえる。

 8000億ドル規模の米スーパーマーケット業界へ本格的に乗り込むアマゾンは、一体どこに向かっているのか。また果たしてアマゾンに勝算はあるのだろうか。今回の買収の背景を分析しながら探ってみたい。

スーパーマーケットを買収したアマゾンに勝算はあるのか
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