ソニー「wena wrist」に新バンド、レザーが登場 自由度の高さが魅力

» 2017年07月03日 19時51分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 「wena wristを活用すれば、どんな腕時計でもスマートウォッチに早変わりする」――ソニー新規事業創出部 wena事業室の對馬(つしま)哲平統括課長はこう語る。

 ソニーが販売する「wena wrist」は、腕時計の「バンド部分」にセンサーなどスマートウォッチに必要な機能を集約。同社製品だけでなく、他社製の腕時計のヘッドと組み合わせた場合でも、スマートフォンと連動させることが可能な点などが特徴だ。

photo wena wristのバンドを使用した時計

 現在のスマートウォッチ市場では、ヘッド部分にセンサーやGPSなどを集約し、バンドを取り換えるものが一般的。wena wristは、こうした他社製品とは一線を画した形だ。

 wena wristを発案した對馬課長は、現在入社3年目。入社したばかりの2015年に社内コンペを勝ち抜き、商品化にこぎ着けた。同年8月からクラウドファンディング方式で資金を集めると、約10カ月で1億円超を出資を獲得。16年6月に満を持して商品化されると、ガジェットファンを中心に人気を集め、ひそかなブームとなっている。

photo 開発のプロトタイプ

 そして7月3日、さらなるファン獲得を目的に、ソニーは16年6月の発売時はヘッドとセットで展開していたバンドを「wena wrist ステンレスバンド」として7月11日から単品販売することを発表。価格は3万3880〜3万6380円(税別)となる予定。

photo wena wrist ステンレスバンド

 wena wrist ステンレスバンドは、Felicaモジュールを内蔵しており、電子マネー「楽天Edy」による決済が可能。

 このほか、スマートフォンと連動した通知機能、歩数や移動距離、消費カロリーを記録する活動ログ機能を備える。ターゲットは40代のビジネスパーソンで、ITリテラシーの高い人を想定している。

 バンド幅は22ミリだが、専用のエンドピースを活用することでラグ幅18ミリ、20ミリの腕時計にも対応する。カラーは、シルバー・ブラックの2色から選択できる。

photo wena wrist leather

 また、ソニーは同日、wena wristシリーズの新バンド「wena wrist leather」を12月下旬に発売することも発表。価格は8380円(同)を予定している。

 wena wrist leatherは、Felicaモジュールのみ内蔵し、その他の機能をあえて排した点が特徴。使用の際にスマホとのペアリングなどの設定が不要で、普段はフィーチャーフォンを使用している人など、30〜40代のガジェット初心者がターゲットだ。モジュールの位置を、従来の手首側から手の甲側へと移動させたことにより、より自然な動作での決済が可能になったという。

 バンド幅は18ミリ、20ミリ、22ミリの3種類、カラーはブラック、ワインレッド、ホワイト、ブラウンの4色から選択可能だ。

 對馬課長は「wena wristは、極論を言えばRolexのヘッドとも組み合わせられるなど、自由な楽しみ方ができる。こうした点を前面に打ち出し、シェア上位を占める米Appleの『Apple Watch』など他社製品に対抗していきたい」と話す。

 「まだ市場シェアでは下位にとどまっているので、今後は対応する電子マネーの拡充などを行い、さらに多くのユーザーを獲得したい。ゆくゆくは海外進出も視野に入れている」(對馬課長)

photo ソニー新規事業創出部 wena事業室の對馬哲平統括課長

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