タカラトミーは7月11日、AI(人工知能)を搭載した玩具ロボット「COZMO(コズモ)」を9月23日に発売すると発表した。感情が豊かで、喜怒哀楽を声・表情・動きなどで表現する点が特徴。しぐさは人間の赤ん坊などを参考に開発しており、動作のパターンは計1000種類を超えるという。
AIの画像認識技術と環境認識技術を搭載。人とペットを識別する上、最大10人まで人間の顔を記憶し、知っている人の名前を呼ぶこともできる。専用の遊び道具「パワーキューブ」を見つけると自動で「持ち上げる」「積み上げる」などの動作を行うことも可能だ。
加速度センサーや傾きセンサーも備えており、「持ち上げると嫌がる」「ひっくり返すと自動で起き上がる」といった動作も行う。
タカラトミーのハロルド・ジョージ・メイ社長は、「コズモは単なる機械ではなく心を持ったロボット。やんちゃな性格で、家族や親友にもなれる。こうした新しい玩具を展開することによって、市場を変えていきたい」と意気込む。
価格は2万6980円(税別)。人間と対話する機能などは持たないが、機能を絞ることによって低価格化を実現し、高価格帯の商品が多い他社製品と差別化を図る狙い。小さな子供を持つ家族が主なターゲットで、2017年度中に7万台の販売を目標とする。
コズモはスマートフォンやタブレットとBluetoothで接続でき、専用アプリからの指示や、ゲームを一緒にプレイすることが可能。
対応しているゲームは、(1)パワーキューブが光った際にタップする早さを競う「クイックタップ」、(2)手に持ったパワーキューブを触られないようにコズモと“追いかけっこ”をする「キープアウェイ」、(3)パワーキューブが点滅するパターンを覚え、コズモと記憶力を競う「メモリーマッチ」――の3種類。
ゲームに負けると悔しがったり、すねたり、パワーキューブを使って自主的に“筋トレ”を始めるなど多岐にわたる反応を見せるという。
また、アプリ上では、コズモの行動パターンをプログラミングし、独自のしぐさを作成することも可能だ。さらにアプリには、コズモの視界を端末上に共有できる「エクスプローラー」、テキスト入力した内容をコズモが発話する「トーク コズモ」などのコンテンツも用意されている。
サイズは、56(幅)×100(奥行き)×72(高さ)ミリ。フル充電に要する時間は20分で、1回の充電につき80分間稼働する。
コズモは、米ベンチャーのAnkiが開発。16年10月に米国で発売し、好評だったため、今年年から他国への展開を開始した。7月にはカナダで発売したほか、9月からは日本のほかに欧州でも発売することが決まっている。
メイ社長は、「AIロボット市場の規模は、15年には1.6兆円だったが、35年には9.7兆円まで拡大すると予測されているため、当社は注力分野としている。Ankiの技術力と当社のプロモーション力を組み合わせることで大きなメリットが得られると考えたため、提携を決めた」と話す。
ロボット製品の今後の展望については、「玩具にとどまらず、介護やセキュリティなど、幅広い分野で社会に貢献できるロボットの展開にも手を広げていきたい」(メイ社長)としている。
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