英会話教室運営のイーオンは7月18日、VR(仮想現実)を活用して英会話を学べるスマートフォンアプリ「英語でおもてなしガイド」を公開した。英語を使って外国人観光客のガイドをするシーンをVRで再現し、実際にネイティブと1対1で話しているような感覚で学習できる点が特徴だ。
イーオンの対面講座「英語ボランティアガイド 初級コース」の内容がベース。教師との対面レッスンが難しい自宅などでも、質が高く臨場感のある学習環境を提供することで、ユーザーの会話能力の早期向上が可能という。
アプリのコンテンツは、日常会話で使用する単語や言い回しを学習する「事前学習パート」と、習得した知識を駆使して会話する「会話学習パート」──の2つで構成する。
VRに対応するのは会話学習パート。内容は(1)会話の基礎を学ぶ「Conversation」、(2)相手が話す英文内の単語や表現の一部が入れ替わり、繰り返しプレイすることで対応力が養える「Exercise」、(3)会話中に分岐点が生じ、ユーザーが話した英文の内容によってエンディングが変化する「Practice」――の3種類。
ヘッドマウントディスプレイを装着して「VRボタン」を選択すると、仮想の会話相手と「It's hot today, isn't it?(今日は暑いですね)」などの文言が画面下部に表示される。これを読み上げることで相手が「Yes, it is (そうですね)」などと返答し、会話がスタートする仕組みだ。
引き続きガイドに従って英文を読み上げることで英会話を練習できるが、難易度を上げると英文の穴あきが多くなり、ユーザー自身で発話内容を考える必要がある。
スマートフォンの録音機能を活用し、相手との会話内容を記録することも可能。ネイティブによるお手本と録音した自分の音声を聞き比べることで、発音の上達にもつなげられる。
会話の終了後は、発音のスピードや正確さなどを評価して表示。会話中の視線の動きも分析し「ずっとよそ見をしていましたね。次はできるだけ視線を合わせて話せるようにしましょう」などとVR対応コンテンツならではのアドバイスももらえる。
同アプリは、教育会社、開発会社、研究機関が協力して商用コンテンツを制作する産学連携プロジェクトの一環として開発。教育に応用できるゲーム開発などを手掛けるポケット・クエリーズが制作を、ゲームの教育などへの応用可能性を研究している東京大学 大学総合教育研究センターの藤本徹氏が監修を担当した。
iOSとAndroidに対応。ダウンロードは無料だが、継続利用には1カ月当たり980円が必要。現在は2種類のチャプターのみ提供しているが、最終的には全8種類のチャプター構成となる予定。新チャプターは現在開発中で、9月から新チャプターを随時追加していく。2017年度中に5000人の利用を見込む。
イーオンの三宅義和社長は「20年の東京五輪に向け、英語を学びたいという方が増えているため開発を決めた。教室でのレッスンという、従来のサービス内容ではアプローチできなかった層を獲得したい」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング