英国風パブチェーン「HUB(ハブ)」――。2017年4月に店舗数100店を突破した。6月末の時点で「HUB」87店と、第2のブランド「82ALE HOUSE」15店を合わせて102店。1年前の93店から9店増加した。
17年2月期の売上高は102億1700万円(前年比7.1%増)、経常利益は7億6400万円(同4.9%増)と順調に伸びている。今期第1四半期の既存店売上高も前年同期比102.3%、客数103.6%と堅調に推移しており、成長し続けている。
今回はこのHUBについて解説していきたい。
HUBと82ALE HOUSEを運営しているハブの太田剛社長は「いつでも気軽に立ち寄れる価格を守る姿勢が、顧客に安心感を生んでいるからだ」と、好調の要因を分析している。
国産生ビール(税込360円)、ハブエール(同490円)など、ワンコインで飲めるビールがあり、カクテルのメイン商品であるジントニックも390円。おつまみも300〜400円台で多数そろっている。
居酒屋のように何杯も飲まなくていい。「1000円でいい気分」が、HUBの目指す日本の風土に合った英国風パブのスタイルだ。
もともと「PUB」は「Public House」を略した語で、公共の家という意味。英国の国内に数万件あるとされるパブの文化を日本に広めるのが同社の使命だという。仕事が終わり、家に帰るまでのひとときを、行き付けのパブに立ち寄って過ごし、1日の疲れを癒す。家に帰って食事を取った後にまた、近くのパブに出掛けていく。家でも仕事場でもない「サードプレイス」としてパブは受け入れられてきた。
カウンターでドリンクとおつまみを注文し、気の合った仲間とコミュニケーションを楽しむ。何度も足を運ぶうちに、年齢も職業も性別も違う常連の人々がいつの間にか顔見知りになり、親しく交流するコミュニティーが形成されていく。
最近は「HUBには幸せになれる出会いがある」といううわさが都市伝説のように広まっている。太田社長によれば「実際にHUBで親しくなって、結婚したという話も複数の店舗で聞いています」という。
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