特許庁は7月28日、特許の審査など、公的文書作成などの業務で全職員の旧姓使用を認めると発表した。業務効率化と女性職員の意欲向上などが狙いで、9月1日から運用を開始する。
7月5日に女性として初めて長官に就任した宗像直子長官は旧姓で長官名の文書を出しており、この取り組みを全職員に拡大する形だ。
運用開始後は職員が希望した場合、特許や商標など産業財産権の出願を受けた際の審査・審判に関する書類など、対外的な法的文書への記名にも旧姓を使用できる。
従来、日本の官公庁では作成者の同一性確保のため、公的文書作成の際に職員が旧姓を使用することを認めていなかった。
特許庁は、他の官公庁に先駆けて旧姓使用を認める理由として(1)適切な管理を行えば職員の同一性を確保できると考えられること、(2)既に庁内で旧姓を使用している職員は、対外的な文書でも旧姓を使用した方が合理的であること、(3)旧姓使用者の大半を占める女性職員の意欲向上につながること――の3点を挙げている。
特許庁は今後、旧姓使用を希望する職員の情報をまとめたデータベースを作成するなど、文書作成者の同一性を確認する体制の整備を進めるとしている。
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