リコー、個人向けカメラ事業が営業赤字に 「THETA」好調もデジカメ減収で

» 2017年07月31日 13時30分 公開
[ITmedia]

 リコーの個人向けカメラ事業の落ち込みが止まらない。360度カメラ「THETA(シータ)」は好調だが、「PENTAX」ブランドなどが属するデジタルカメラの販売台数が減少し、売上高は前年同期比45%減の43億円に。撤退報道も出たカメラ事業の今後はどうなるのだろうか。

 リコーは7月28日、2017年4〜6月(18年3月期第1四半期)の連結決算を発表。売上高は4925億円(前年同期比1.0%増)、営業利益189億円(74.1%増)、純利益107億円(2.2倍)。柱となっているのはオフィス事業とプリンティング事業だ。リコーは17年度を「構造改革の年」としており、(1)コスト構造改革・スリム化、(2)業務プロセス改革による生産性の向上、(3)事業の選別の徹底などの施策を行っている。

 全社的に改革を進め、各セグメントで営業利益の改善が見られている中、個人向けカメラ事業が属するその他セグメントは落ち込んだ。車載向けカメラなどの産業プロダクツ分野や、ファイナンスビジネスなどは売り上げを伸ばしたが、デジタルカメラの減収と産業プロダクツへの投資を行ったため、前年同期の25億円の黒字から、2000万円の赤字に転落した。

カメラ事業が属するセグメントが営業赤字に

 リコーは「聖域を設けず、遠ざける事業の選別を徹底する」と発表している。その中には「トラディショナルカメラ事業の減損」が明記されている。カメラ事業は「遠ざける事業」として検討されていることがうかがえるが、具体的な時期や方針については「適切なタイミングで公表予定」としている。

改革を進めるリコーの山下良則社長

【訂正:2017年8月1日午前9時40分 初出で「売上高は前年同期比65%減の43億円」としておりましたが、「45%減」の誤りでした。該当箇所を修正しました】

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