スマートフォン向けゲーム「白猫プロジェクト」などを展開するコロプラの苦戦が続いている。2016年10月〜17年6月期は新しい課金システムを打ち出した「プロ野球VS」など新規タイトルを投入したが、既存タイトルの落ち込みを補えず減収となった。費用面はコスト合理化を進めたものの、減収幅を吸収しきれず、大幅な減益だった。
8月2日発表した同期(17年9月期第3四半期)の連結業績は、売上高382億円(前年同期比40.8%減)、営業利益98億円(61.6%減)、純利益64億円(56.3%減)。4〜6月の単体売上高はヒットタイトル「白猫プロジェクト」リリース前の13年10〜12月と同水準にまで落ち込んだが、コロプラは「『魔法使いと黒猫のウィズ』(13年リリース)4周年イベントの成功体験を他アプリにも応用し、復調を見せ始めている」と前向きだ。
5月リリースの「プロ野球VS」は、キャラクターや武器を手に入れる「ガチャ」による課金ではなく、ゲーム進行を効率化する「時短系」のシステムを導入した。「一般層に受け入れられ、広く浅い課金を実現した」といい、売上高は2億6000万円。しかし、「魔法使いと黒猫のウィズ」「白猫プロジェクト」に次ぐような主力タイトルにはなっていない。
コロプラの今期は既存アプリのピークアウトによる売り上げ減少から大幅な減収減益を見込んでおり、通期は売上高550億円、営業利益110億円を予想している。売上高の進捗率は69.4%とやや出遅れているが、第4四半期に開催する「白猫」シリーズの周年記念イベントで計画達成を目指す。
コロプラの成長は「黒猫」「白猫」シリーズなどの自社IP(知的財産)が支えてきたが、15年以降にリリースした自社IPゲームには大きなヒットが出ていない。コロプラは来期以降、「積極的なIP活用へと舵を切っていく予定」といい、他社IPの完全新作ゲームの展開や他社との協業を進めるとしている。
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