上場小売業の平均年収、1位はあのレストラン運営会社はるやま、ワタミも年収アップ

» 2017年08月22日 18時59分 公開
[ITmedia]

 東京商工リサーチが8月22日発表した上場小売業の平均年収調査(2016年度)によると、上場小売業277社のうち平均年収が最も高かったのはイタリア料理店「カプリチョーザ」など約20種類のレストランブランドを運営するWDI(東京都港区)で、1010万3000円だった。

photo WDIの公式サイト

 2位は「阪急阪神百貨店」「イズミヤ」「阪急オアシス」の持ち株会社エイチ・ツー・オー・リテイリングで891万4000円。3位は家具販売チェーン「ニトリ」の持ち株会社ニトリホールディングスで877万7000円。百貨店やスーパーを傘下に置く純粋持ち株会社の平均年収が高い傾向がみられた。

小売業全体の年収は増加も、格差が浮き彫りに

 上場小売業全体の平均年収は前年度比4万7000円増の503万6000円で、10年度の調査開始以来初めて500万円を上回った。東京商工リサーチは「小売業はここ数年深刻な人手不足が続いており、各社は待遇改善のために給与の引き上げに動いた」とみている。

 前年度からの増加率が最も高かったのは、紳士服販売のはるやまホールディングス(岡山県)で、50.4%増の561万2000円。17年1月に会社分割で純粋持株会社体制に移行し、従業員が1273人から57人に減少した影響で給与が上昇していた。

photo 前年度比増加ランキング

 2位はドラッグストア運営のアインホールディングス(岡山市)で、41.7%増の611万円。3位は飲食店運営のワタミ(東京都大田区)で、30.4%増の464万2000円だった。

 ただ、平均年収が増加する小売事業者が多い一方、平均年収が500万円未満の企業は業界全体の56.6%(157社)を占める結果となり、業界内格差の存在が浮き彫りとなった。

photo 小売事業者の平均年収別の分布

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