「TEAVANA(ティバーナ)」というティーのブランドを聞いたことがあるだろうか。
ティバーナは全米でチェーン展開をしてきた紅茶専門店。2012年に大手コーヒーチェーン・スターバックスが6億2000万ドルで買収したことで大きく注目された。日本のスターバックスでも「今までなかったTEA体験をお届けするために生まれたブランド」として大々的に売り出しており、スターバックス利用者ならその名を目にしたことがあるだろう。
「TEAVANA」とは、TEA(お茶)とNIRVANA(ニルヴァーナ/至福の境地)を掛け合わせた造語で、香りや味のブレンドにこだわり、紅茶の無限の可能性を引き出す「体験」をウリしている。
そんなティバーナだが、スターバックスは買収からわずか5年で、米国とカナダで展開する379店舗すべてを閉鎖すると発表して話題になっている。その理由は、言うまでもなく、店舗でのビジネスがうまくいかなかったからだ。
6億ドル以上の投資がうまくいかなかったとなれば、さぞスターバックスは痛手を負っているだろうと思うが、実情はどうもそうではないようだ。それどころか、ティバーナに今後も勝算を見ているという。
スターバックスがティバーナの全店舗を封鎖しても痛くない理由の1つは、ティバーナの店舗を撤退させることは、長期的にみるとメリットのほうが大きいからだという。
どういうことかと言うと、ティバーナの店舗の多くは、客足が減っているショッピングモール内に出店している。そのため、ショッピングモールのにぎわいがなくなるにつれ、ティバーナの業績も当然ながら落ち込み、スターバックスの営業利益をどんどん圧迫する状態になっていた。
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