阪神タイガースの「超変革」がなかなか進まない、なぜ?赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2017年09月22日 07時13分 公開
[臼北信行ITmedia]

V字回復を狙うための「種」はまいた

 話を再び冒頭の金本監督に戻したい。広島V決定の日、緒方監督の胴上げを見ていた彼の姿から「オレがやっていることは本当にこれでいいのか」と自問自答しているように思えたのは、自らが押し進めている「超変革」がいまひとつチームに浸透し切れていないことと関係している。

 就任1年目の昨季、金本監督はチームスローガンとして「超変革」を掲げ、世代交代を促すためにたとえ実績がなくても積極的に若手を起用。若手有望株と呼ばれながらも二軍暮らしの長かった北條史也内野手、2016年のシーズン開幕当初は育成選手だった原口文仁捕手ら“金本チルドレン”が続々と一軍メンバーに入るようになった。ルーキーの高山俊外野手は球団の新人最多となる136安打をマークして新人王を獲得し、一気にブレイク。それまで通算2勝だった岩貞祐太投手を先発起用するなど投手陣にもメスを入れ、若手への切り替えを図った。

 若手を我慢しながら起用するというチーム方針のツケもあって昨季の順位は64勝76敗3分の4位。4年ぶりのBクラス転落に暗黒時代の再来を危惧する声もあったが、V字回復を狙うための「種」はまいた。

 就任2年目の今季は昨季の育成路線からチーム内にさらなる競争意識を求めた。勝負の厳しさを植え付け、常勝軍団を作り上げるためだ。結果として今季はここまで昨季よりも大きく勝ち星を伸ばし、貯金も大幅に増やしてリーグ2位でのゴールは確実。パッと見れば、十分に成果をあげているように見える。

阪神タイガースは「超変革」できるのか

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