「なぜあの人が昇進?」人事から見えてくる会社の“いま”常見陽平のサラリーマン研究所(1/3 ページ)

» 2017年10月06日 06時00分 公開
[常見陽平ITmedia]

 私が会社員だった頃、ニックネームは「黒服」だった。以前、東京スポーツで連載されていた芸能ゴシップコーナー「六本木黒服情報」(六本木の黒服が有名人のうわさ話を紹介するというコーナー)が元ネタだ。私は平社員なのに、人事の情報にやたらと詳しかったのだ。

 当時私がいた会社は情報管理に関してワキが甘く、社内のネットワークに保管されている人事に関するヤバい資料は「組織」「人事」などのキーワードで検索することで、簡単に見ることができた。

 偉い人のスケジューラーをのぞいて、誰と誰が面談しているかなども当然、チェックしていた。人事が正式に発表される前に「影の人事部長飲み会」と称して、若手社員同士で、上司や同僚の栄転・左遷話を肴(さかな)に盛り上がったものだ。

 それはそうと、もう10月だ。人事異動、転職シーズンである。内定式もある。Facebookなどでの異動、転職に関する意識高い書き込み(退職ポエム)も多数、見聞きした。内定式に関連して、若者にいきなり熱いメッセージを送る奴もいて、大変香ばしく、楽しい。意識高い系ウォッチャーとしては、たまらない季節ではある。

 ただ、楽しんでばかりいてはいけない。人事というのは経営陣からのメッセージでもあるからだ。誰が営業部長、マネジャー、リーダーに上がるかによって、その企業や事業部が目指す営業スタイル、方針を読み解くことができるのだ。

photo 人事異動、転職シーズンは自社をより深く理解するチャンス?
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