グーグル&Uberつぶしのトヨタ・タクシー池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/4 ページ)

» 2017年10月30日 06時30分 公開
[池田直渡ITmedia]

 新たなタクシーシステム構築に当たって、トヨタがこれを見過ごすはずはない。トヨタは「TCスマホナビ」というアプリをGoogle PlayとApp Storeでユーザーに無料ダウンロードさせる。当然ながらユーザーの位置情報を取らなければ機能しないから、その情報を取る。ちなみにAndroid版のアクセス許可の内容は次の通りである。

端末とアプリの履歴

実行中のアプリの取得

機密ログ データの読み取り

位置情報

おおよその位置情報(ネットワーク基地局)

正確な位置情報(GPSとネットワーク基地局)

電話

電話番号発信

端末のステータスとIDの読み取り

画像/メディア/ファイル

USBストレージのコンテンツの読み取り

USBストレージのコンテンツの変更または削除

ストレージ

USBストレージのコンテンツの読み取り

USBストレージのコンテンツの変更または削除

マイク

録音

Wi-Fi接続情報

Wi-Fi接続の表示

端末IDと通話情報

端末のステータスとIDの読み取り

その他

位置情報の更新通知を制御する

他のアプリの終了

インターネットからデータを受信する

仮の位置情報でテスト

ネットワーク接続の表示

システムの表示設定の変更

ネットワーク接続の変更

Wi-Fiからの接続と切断

画面ロックの無効化

ネットワークへのフルアクセス

バイブレーションの制御

端末のスリープの無効化

システム設定の変更

 将来の拡充をにらんで入っている項目もあるのは分かるが、細かく内容を見ると恐ろしい。もっともそれはこのアプリに限った話ではないということも書き添えておく。

トヨタはハンデキャップを持つ人のモビリティに力を入れると宣言する。このJPN TAXIでも助手席が簡単にたため、車椅子での乗車が可能になっている トヨタはハンデキャップを持つ人のモビリティに力を入れると宣言する。このJPN TAXIでも助手席が簡単にたため、車椅子での乗車が可能になっている

 さて、こうしてアプリから吸い上げられたユーザーの行動パターンをクラウド上のAIに送信する。前述の通り、タクシー側の位置や運行情報などもまたこのAIに送られている。と、書けば想像がつく人も多いだろうが、天気や時間帯、曜日やイベントのあるなし、あるいは個人の移動パターンから、クラウド上でAIがシミュレーションし、システムがドライバーを需要が発生しやすい場所へと導く。顧客がタクシーを呼びたいとき、既にタクシーは近くにいるので、オンデマンド配車が可能になるとトヨタは説明する。

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