アドラーの岸見一郎さんに聞く、職場で嫌われる勇気水曜インタビュー劇場(4年連続トップ3入り公演)(1/6 ページ)

» 2017年12月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 2013年12月に発売された書籍『嫌われる勇気』(著:岸見一郎、古賀史健/ダイヤモンド社)が、いまも売れている。今年はドラマ化にもなったので「見たことがあるよ」という人も多いかと思うが、17年の年間ベストセラーランキング(ビジネス書)は2位。14〜17年でみると、4年連続でトップ3入りしていて、この数字は史上初の快挙だという。

 発行部数は168万部、続編の『幸せになる勇気』(50万部)を合わせると、218万部を突破している。この勢いは日本だけにとどまらず、韓国語版でも年間ベストセラー1位(主要書店)を獲得したほか、中国、台湾、タイ、オーストラリアでも読まれているのだ。

 本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と言われているアルフレッド・アドラーの思想について、哲人と青年の対話形式で紹介している。トラウマの存在を否定していたり、他者から承認を求めることも否定していたり、他人の課題に介入してはいけないと訴えていたり。どうすれば人は幸せに生きることができるのかという問いに対し、具体的な答えを提示しているので、読者からは「心が軽くなった」「生き方を見直した」「何度も読んでしまう」といった声が多い。

 書籍がなかなか売れないと言われている中で、なぜこの本はウケたのか。サラリーマンの代表的な悩み「上司が評価してくれない」「給与が安い」ことについて、著者の岸見一郎さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。

ビジネス書ランキングで『嫌われる勇気』が、4年連続でトップ3入り

岸見一郎さん:

 1956年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。京都聖カタリナ高校看護専攻科非常勤講師。著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(古賀史健と共著、ダイヤモンド社)、『人生を変える勇気』(中央公論新社)『よく生きるために働くということ』(KKベストセラーズ)『三木清「人生論ノート」を読む』(白澤社)『老いた親を愛せますか?』(幻冬舎)、訳書にアドラー『個人心理学講義』『人生の意味の心理学』(アルテ)、プラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)など多数。


       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.