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» 2018年01月08日 08時00分 公開

宇宙ビジネスの新潮流:2018年の宇宙ビジネスはこう動く! (4/4)

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]
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メガコンステレーションの配備はどこまで進むか?

 SpaceX、米OneWeb、米Boeingなどが計画を発表している数百機から数千機の低軌道小型衛星による地球規模のブロードバンドインフラ構築プロジェクトも、衛星配備へと移行しつつある。特に、通信大手ソフトバンクが既に15億ドルを投資したOneWebは今年最初の衛星打ち上げを控えており、19年以降にサービス提供を計画している。

 他方、ルクセンブルクに本社を構える衛星通信大手SESは既に静止軌道に配備された50機の衛星に加えて、中軌道にも12機の衛星を運用している。同社は将来的にO3b mPOWERと次世代衛星を打ち上げる予定だ。こうした新たな通信コンステレーションがどのような顧客や用途に活用されていくのかにも注目だ。

小型レーダー衛星開発に誰が先鞭をつけるか?

 昨今話題を集める小型衛星分野では、これまで光学衛星がメインだったが、近年は小型レーダー衛星への関心が高い。カメラを用いて写真や動画を撮影する光学衛星とは違い、夜間も悪天候も関係なしに観測可能なのがレーダー衛星の特徴だ。他方、レーダー衛星の小型化は難易度が高く、アンテナ、電気系、熱系、通信系、制御系などの総合力が問われる。

 日本では九州に拠点を構えるベンチャー企業QPS研究所が昨年23.5億円の資金調達に成功、また内閣府の科学技術政策である革新的研究開発推進プログラム(通称:ImPACT)でも小型レーダー衛星の開発が着実に進んでいる。

 海外でも、米Capella spaceとフィンランドのICEYEが小型レーダー衛星の開発を進めており、両社は18年前半に最初の打ち上げを予定している。技術的難易度の高い衛星開発に果たして誰が先鞭をつけるのか。

 このように、18年も宇宙ビジネスのさまざまな領域で進展があることは間違いない。もはや宇宙は非日常的な存在ではなく、われわれのすぐ身近なところにあるのだ。もしかしたら今年、読者の皆さんが勤める企業でも宇宙ビジネスにかかわる機会が訪れるかもしれない。

著者プロフィール

石田 真康(MASAYASU ISHIDA)

A.T. カーニー株式会社 プリンシパル

ハイテク・IT業界、自動車業界などを中心に、15年のコンサルティング経験。東京大学工学部卒。内閣府 宇宙政策委員会 宇宙民生利用部会 委員。日本初の民間宇宙ビジネスカンファレンスを主催する一般社団法人SPACETIDE共同創業者 兼 代表理事。日本発の民間月面無人探査を目指すチーム「HAKUTO(ハクト)」のプロボノメンバー。著書に「宇宙ビジネス入門 Newspace革命の全貌」(日経BP社)。

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