「ガキ使」を批判する人が増えれば、トンデモ権力者が生まれる論理世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2018年01月11日 07時36分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 大晦日に日本テレビ系列で放送されたバラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんでSP 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時」が、大炎上している。

 ことの発端は、レギュラー出演者であるダウンタウンの浜田雅功氏が、米国の黒人俳優エディ・マーフィの真似をして顔を黒くメークして登場したことだった。この「黒人メーク」にTwitterなどで批判が巻き起こると、英BBCや米ニューヨーク・タイムズ紙など海外の大手メディアが顛末(てんまつ)を報じ、騒動はグローバルに広がった。

 ご記憶の方も多いと思うが、少し前の9月には、フジテレビ系列で放送された「とんねるずのみなさんのおかげでした30周年記念SP」という番組で、とんねるずの石橋貴明氏が同性愛者「保毛尾田保毛男」というキャラクターに扮して登場。それがゲイ差別だとして炎上する騒動もあった。これについてはフジテレビが謝罪している。

 こうした一連の騒動を見ていて感じたことがある。黒人メークや同性愛者キャラクターを否応なしに批判する「空気感」はあまり良い流れではないのではないか、ということだ。というのも、こうした何でもかんでも問題視する傾向が、世界唯一の超大国である米国で、発言がむちゃくちゃな政治経験ゼロの「ドナルド・トランプ大統領」を生んだからだ。

 最初にはっきりさせておきたいが、筆者は長年海外に暮らし、各地を滞在してきた経験上、黒人の人たちを差別することは絶対にあってはならないと思っている。各地に黒人の友人もいる。また日本にも海外にも同性愛者の知人がいるし、同性愛者に対する偏見や差別はなくなるべきであると重々理解している。

 だがそれにしても、「ガキ使」「みなおか」で起きている大きな騒動には違和感を覚える。

「ガキ使」の放送内容をめぐって、批判が集まった
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