インタビュー
» 2018年01月18日 06時45分 公開

好調な沖縄観光産業、しかし課題も噴出沖縄観光コンベンションビューロー会長に聞く(2/3 ページ)

[伏見学,ITmedia]

海路からの受け入れを強化

 さて、もはや便数を増やすことが困難である中、新滑走路ができるまでどうやって観光客数を伸ばしていくのだろうか。

 1つの策が航空機の大型化だ。現在、アジア各国から最も多く乗り入れている航空機は180座席ほどの機種だが、約250人座席の機種に変更することは可能だという。また、台湾からはジャンボ機が週2便飛んでいるが、これだと約400人乗れる。「台北から那覇までは50分程度。こんな近距離でジャンボが飛んでいるのです。これをほかの路線にも展開できれば」と平良会長は期待を寄せる。

那覇空港に乗り入れる航空会社の模型 那覇空港に乗り入れる航空会社の模型

 加えて、沖縄のもう1つの玄関口である海港の受け入れ態勢を強化し、海路からの観光客を伸ばす戦略を立てる。17年の沖縄県内へのクルーズ船の寄港回数は515回(前年比33%増)で過去最多を記録し、主にアジアから海路で沖縄にやって来る外国客は70万人を超える。

 沖縄には那覇港をはじめ、本部港、中城湾港、平良港(宮古島)、石垣港と5つの海港があり、年々増加する14万トンを超えるような大型クルーズ船に備えて、護岸工事や浚渫(しゅんせつ)工事が急ピッチで進んでいる。

 ただし、海港にも課題がある。寄港が重なるとクルーズ船専用のターミナルではなく、貨物専用のターミナルに接岸するが、そこに送迎用の大型バスが駐車できないなどの理由で、観光客は1時間ほどかけて交通の便が良い場所まで歩いていくこともあるという。

 この問題を解決しようと乗り出したのが、クルーズ船の代理店を務める沖縄シップスエージェンシーだ。昨年末に電気バス10台を導入し、那覇クルーズターミナルに到着するクルーズ船の観光客を市街地や観光地などに無料で送迎するサービスを始める。

 海路で観光客数を増やしていくものの、観光収入に関しては、海路からの外国客と空路からのそれとでは大きな差が出ていることは軽視できない。16年度の海路の一人当たりの県内消費額は3万3656円で、空路は9万8097円と約3倍の開きがある。クルーズ船の客は基本的にその土地に宿泊せず、滞留時間は5〜6時間なので、土産物や飲食での消費に限られるという事情もある。「以前は爆買いで20万円以上消費する外国客もいましたが、今はあまり見掛けません」と平良会長は話す。

 けれども、消費額が少ないからといって、海路からの客をおろそかにするわけにはいかない。沖縄に初めて訪れるアジアからの観光客はクルーズ船を使うことが多いため、リピーターになってもらうには彼らの満足度の向上が不可欠である。

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