傘のビニール袋、スルッと回収 装置開発の狙いとは?小田急百貨店が設置

» 2018年01月24日 14時48分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 雨の日の買い物は何かと面倒。特に、たくさん荷物を持っていると、ぬれた傘の取り扱いに困る。そんなイライラを軽減する装置を小田急百貨店が取り入れた。傘用ビニール袋を自動で回収する装置だ。このほど新宿店に導入した。店を出るときに傘の先端を差し込むだけで、ビニール袋が電動で巻き取られる。

 関連会社の小田急デパートサービスが、2月から店舗や施設向けに装置の販売を始める。このような装置の商品化は国内初だという。開発の狙いを聞いた。

photo 小田急百貨店新宿店に設置した、傘のビニール袋を自動で回収する装置(小田急百貨店提供)

ビニール袋の散乱を防ぐ

 製品の名称は「かさビニぽいぽい」。小田急デパートサービスが、カーナビやドライブレコーダーを開発するエンプレイスと共同開発した。商品化には2年かかったという。

 小田急百貨店の広報担当者によると、「傘のビニール袋を装着する装置は便利なものがあるのに、外すものはない」ことから独自で開発に取り組んだ。買い物をして店を出るときは、両手に荷物を持っていることも多い。手でビニール袋を抜き取ろうとすると、手間取ってしまう。また、使用後のビニール袋の中には水がたまっていることが多く、手や荷物がぬれてしまうこともある。

 さらに、ビニール袋を回収する箱には、袋がどんどん積み重ねられ、あふれて散乱していることが少なくない。店舗入り口の見栄えも悪くなる。自動で回収できれば、袋の散乱を防げる。

photo 2月に販売を開始する「かさビニぽいぽい」

 小田急百貨店では、「かさビニぽいぽい」を新宿店の入り口数カ所に試験的に導入。雨や雪の日に稼働させている。両手に荷物を持っている来店客などに便利に使ってもらえているというが、認知度はまだ低い。広報担当者は「ビニール袋を付ける装置は多くの方がご存じですが、外すものはほとんど知られていません。まずは使い方を広めていきたい」と話す。今後、新宿店以外の店舗にも設置を検討していく。

 装置の高さは85センチで、使用後のビニール袋を約200枚収容できる。バッテリーを内蔵している。

 外販については、年間1000台が目標。百貨店、スーパー、量販店など、来店者が多い店舗に加えて、ホテルや病院、公共施設など、エントランスの美化を重視するところにも導入を提案する。価格は15万8000円(税別)。

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