観光庁と日本政府観光局(JNTO)は2月6日、インバウンド促進キャンペーンとして、日本の観光資源を世界にアピールするプロモーション動画を公開した。特設WebサイトやWeb広告で配信し、アジア諸国に比べて訪日観光客数が少ない欧米諸国などに日本の魅力を訴求していく。
ドイツ、英国、フランス、米国、カナダ、オーストラリアの6カ国を対象に、海外旅行に関するアンケート調査を実施したところ、観光客の興味関心は「伝統文化・歴史」「食」「自然」「エンターテインメント」「アート」などの7項目が上位に挙がった。
キャンペーンでは、その7項目をコンセプトに9本の動画を作成。例えば「エンターテインメント」では東京都を、「自然」では沖縄県恩納村を、「アウトドア」(ラフティング)では群馬県みなかみ町をロケ地にしている。
また、特設Webサイトに訪れたユーザーが、各種質問に回答することで、個人の興味関心に合わせたプロモーション動画を配信する「パーソナライズムービー」も展開する。
2017年の訪日観光客数は5年間で約3.5倍に増加し、過去最高の2869万人を記録した。消費額も4.4兆円と、初めて4兆円を突破。一方、訪日外国人観光客をエリア別に見ると、近隣のアジア諸国が85%以上を占めており、欧米などその他のエリアは300万人程度にとどまっている。今回のキャンペーンを通じて、アジア諸国以外のエリアからの訪日外国人観光客を呼び込みたいとしている。
観光庁の田村明比古長官は「アジア諸国以外の国からは、まだまだ日本は旅行先として選んでもらえていない。中国やタイにも負けている」と説明。
「調査で分かったことは、日本には『富士山』『桜』『寺』があるくらいで長期間滞在する旅行先としては退屈だと思われていること。この負のイメージを変え、日本にもエンターテインメントやアート、アウトドアも楽しめる観光資源があることをしっかりアピールしていきたい」(田村明比古長官)
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