“女の子のための豆腐”はチーズの味わい 相模屋、F1層狙った新商品豆腐もキャーキャー言われたい

» 2018年03月26日 15時45分 公開
[青柳美帆子ITmedia]

 相模屋食料は3月26日、チーズのような味わいの豆腐「BEYOND TOFU」を3月31日に発売すると発表した。低脂肪豆乳を利用し発酵技術を取り入れたことで、乳製品を使わずにチーズのような食感や質感を作り出した。メインターゲットは20〜34歳女性で、「ヘルシーでおしゃれな食生活への欲求が高い層のニーズに応える」という。

 ラインアップはブロックタイプ(150グラム、税別498円)とキューブ状にカットしたタイプ(50グラム、同278円)の2種類。「削る」「かける」「溶かす」など、これまでの豆腐にはない用途も想定される。開発には3年がかかったという。

相模屋食料の「BEYOND TOFU」

「若い女性に豆腐を届ける」挑戦

 相模屋は「伝統食品の豆腐を進化させる」ことを目指し、さまざまな新商品や製法の開発に取り組んでいる。累計2億5000万個を売り上げた「焼いておいしい絹厚揚げ」や、アニメ「機動戦士ガンダム」とコラボした「ザクとうふ」などは大きな話題になった。

 2014年から力を入れているのが、“女の子のための豆腐”をコンセプトに作られた「ナチュラルとうふ」シリーズだ。「豆腐には関心がない」「相手にされない」と思われてきた20〜34歳の女性(F1層)をなぜターゲットとしたのか。

F1層を狙った「ナチュラルとうふ」シリーズを続々展開

 同社の鳥越淳司社長は狙いをこう語る。「実はF1層は、ヘルシーフードとして豆腐を食べている。ただし豆腐がおいしいから食べているわけではなく、機能にしか興味がない。そこで、おいしい豆腐を実現すれば面白いことになるのではないかと考えた」。

 デザートのように食べれるチョコレート味の豆腐や、ドリンクタイプの「のむとうふ」など新商品を続々と発売。プロモーションはファッションイベント「東京ガールズコレクション(通称TGC)」で行い、発売時期もイベントに合わせた。

 15年の初回は「『豆腐もキャーキャー言われてみたい』という気持ちだったが(笑)、ランウェイでのアピールもブースでのサンプリングも非常に大きな反響だった」(鳥越社長)と十分な手応えで、今や「相模屋×TGC」は恒例になっているという。「BEYOND TOFU」の“初お目見え”も、3月31日に開催される東京ガールズコレクションのランウェイだ。

 主要ターゲットはF1層だが、ヴィーガン(卵・乳製品など動物性の食品を口にしない主義)などに向けた「チーズの代替食」としての需要もありそうだ。初年度は5億円の売り上げを見込み、今後はラインアップを増やしシリーズで10億円を目指す。

削ったり、デザートに使ったりと、これまでとは違った用途も想定される

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