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熱意ある情シスが組織を変える、まずはITで“風穴”をあけろ――LIXIL CIOの小和瀬浩之氏長谷川秀樹のIT酒場放浪記(1/4 ページ)

» 2018年03月30日 08時00分 公開
[伊藤真美ITmedia]
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この記事は、「HANDS LAB BLOG(ハンズラボブログ)」の「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」より転載、編集しています。


 ハンズラボCEOの長谷川秀樹氏が、どうすればエンタープライズ系エンジニアがもっと元気になるのか?という悩みの答えを探し、IT業界のさまざまな人と酒を酌み交わしながら語り合う本対談。

 今回はLIXIL CIO 兼 情報システム本部長の小和瀬浩之さんに登場いただきました。情報システム部門こそ事業や組織を抜本的に変える力を持っていると語る小和瀬さん。花王での八面六臂の活躍や、新天地を求めてLIXILに入社してからの奮闘を伺いながら、その“熱さ”の源泉に迫ります。

とんがった人間も生きる自由でフラットな組織に

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長谷川: 小和瀬さんと知り合ったのは、日経ITイノベーターズの幹事会員になったことがきっかけですかね。当時からはっきりモノをおっしゃる方で、すごく印象的でした。

小和瀬: いや、長谷川さんほどではないですよ(笑)。お互い、あまり取り繕っても意味がないと考えるタイプですからね。

長谷川: LIXILに入られてまだ1、2年目だったと思いますが、花王みたいな会社を辞められて、チャレンジングな方なんだろうなと思ったら、実際そうでした。

小和瀬: 花王はすごくいい会社でしたが、27年間思う存分やらせていただいて、このまま残るよりLIXILに行く方がきっと苦労するだろうと。それであえて出ることにしたんです。それまでの経験から、苦労した方がその後に得る喜びが大きいことが分かっていましたから。

長谷川: 変革、改革って本当にパワーが必要ですからね。小和瀬さんのすごいところは、システムに対してもそうですが、組織改革にも当然のように取り組んでいらっしゃる。

小和瀬: これからの時代、変化に対応していくためには、フラットな組織で情報がどんどん流通して、どんどん変われるような組織である必要があるのは明らかですからね。服装も呼称もカジュアルにしたいし、コミュニケーションそのものをフラットにしたいんですよ。

 瀬戸さん(瀬戸欣哉社長)も現場を大切にする方だし、本気でカルチャーを変えようとしています。私がジャケットを着ていたら、「IT部隊こそ、もっと自由な方がいいんじゃないですか」って指摘されて(笑)。実際、うちの部署はTシャツ、ジーパン、短パンOKですよ。

長谷川: えっ、そこまでフリーなんですか。

小和瀬: ええ、住宅設備のメーカーですが、メンバーには「業界内だけを意識するな」と言っています。これからはどこが競合やパートナーになるのか分からないですから、今、意識するなら、GoogleやAmazonのようなオープンでフラットなコミュニケーションが強みになっている企業でしょうと。

長谷川: 確かにGoogleやAmazonなどは普通に30〜40代の役員がいますからね。

小和瀬: そう、自分を振り返っても、意思決定が早いのは40代だし、フットワークも軽い。年齢を重ねれば別の強みも出てくるけれど、スピード感は断然違いますから。長谷川さんも新しいものをためらうことなく取り入れて、成果を出している。さすがだなと思いますよ。

長谷川: 小和瀬さんほどではないですが(笑)、「ファーストペンギン」ですよね。面白そうだ、いけそうだと思うと、つい飛び込んでしまうんですよ。前例がないほど、燃えてしまう(笑)。

小和瀬: 新しい可能性を見極める目って大切ですよね。ITはとんがった人の力が発揮されやすい部分ですから、“オタク”を大切にするようにしているんです。実際、運用管理部門にいた人で携帯端末を10種類くらい持っている人がいて、飲み会で話したらすごく面白かった。それで、ビッグデータやAIのような最先端の研究だけをやっているインフォメーションエクセレンス部に異動させたんです。VRが大好きで、喜々としてやってますね。

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