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» 2018年04月10日 07時52分 公開

スピン経済の歩き方:真面目な組織人ほど「うそ」や「不正」に走りやすい理由 (5/5)

[窪田順生,ITmedia]
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「思考停止型組織」の恐ろしいところ

 そして、このような相撲協会の「思考停止体質」を実は最も象徴しているのが、何をかくそう、貴乃花親方だ。親方は、愛弟子が暴行を働いて「一兵卒として出直す」と述べた。

 一兵卒というのは、上の命令は絶対で、何も考えずに任務を遂行する。「死ね」と言われれば、死ぬ存在だ。つまり、あれは「もう私はなにも考えません」と言っているのだ。あれほど組織にたてついた人物が、こうも分かりやすく陥落する。これが「思考停止型組織」の恐ろしいところだ。

 こういうカルチャーを変えないことには、どんなに再発防止策をしても、同じような不祥事が繰り返される。

 今回の騒動を受けて、相撲協会では土俵内で不測の事態が起きた際のマニュアルを整備するとか言っていたが、こういう教条主義は「思考停止」にさらに拍車をかける。

 残念ながら、相撲協会のゴタゴタはさらにひどくなっていきそうだ。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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