新幹線の車内や駅で、大阪名物の豚まんやたこ焼きを食べるのは是か非か──こんな議論がネットで巻き起こっている。新大阪駅の改札内で販売されているたこ焼きには「車内と駅では食べるのをご遠慮ください」という注意書きが貼られていることも話題になった。JR東海に聞いてみると──。
きっかけはITmedia ビジネスオンラインにノンフィクションライターの窪田順生さんが寄稿した「「551蓬莱の豚まん」が新幹線で食べられなくなる日」(3月13日付)という記事だ。
記事では、お土産の定番としても知られている「551蓬莱」の豚まんを巡り「新幹線の車内で食うべきか、食わざるべきかという大論争が起きている」と、豚まんのようににおいが強い食べ物を新幹線車内で食べることの是非について、賛成派と反対派の声を取り上げた。駅構内で販売されているたこ焼きのパッケージにも「新幹線車内および駅構内でのお召し上がりはご遠慮願います」というシールが貼られていることも紹介した。
記事を受けて、Twitterなどでは議論が噴出。4月9日には、ニュースサイト「日刊SPA!」(扶桑社)で、劇作家・鴻上尚史さんが「新幹線車内で「たこ焼き、豚まん」NG論争に驚き…“お客様のクレーム”に弱すぎる」と題した記事で、新大阪駅の改札内で買った有名たこ焼き店のたこ焼きに貼られたシールを見つけ、
「最初、このシールを見た時は凍りました」
「車内で隣の人が文句を言うのはまだ分かるけど、屋外のホームのベンチで食べるのがどうしていけないのと、臭いは風と共に消えていくよと、猛烈に悲しい気持ちになりました」
──と、疑問を呈している。
たこ焼きに貼られたシールに書かれた文言は、「新幹線車内および駅構内でのお召し上がりはご遠慮願います。空き容器は店内のくずもの入れにお捨て願います」──という内容だ。
JR東海に取材したところ、「たこ焼きのパッケージに注意書きシールを貼るよう要請したのは当社ではない」(広報部 東京広報室、以下同)という回答だった。
要請は、「(たこ焼き店などが入居する)新大阪駅改札内の飲食エリア『大阪のれんめぐり』を運営する企業、ジェイアール東海関西開発による決定事項」だという。2011年9月末のオープン時からシールを貼っているという。
要請した理由は、あくまで「ジェイアール東海関西開発からの伝え聞き」とした上で、以下のようにコメントした。
「『大阪のれんめぐり』は改札内店舗であるため、お客さまがたこ焼きを車内に持ち込んで召し上がる可能性が高く、車内で周囲のお客さまから飲食物のにおいに対するご意見が出ることを配慮した」
「そのため、作りたてのお持ち帰り商品は、車内・駅構内でのお召し上がりをご遠慮いただくよう開業時よりご案内している」
たこ焼きのにおいに対し、乗客からどの程度「臭い」というクレームが寄せられたのかについても聞いたが、JR東海は「数値は開示していない」と答えるにとどめた。
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